「20年間値上げなし」ライターの裏にあるメード・イン・チャイナ―中国メディア

人民網日本語版    2023年5月31日(水) 6時30分

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中国ではさまざまなものが値上がりしているが、使い捨てライターの値段は20年間ほぼ変わらない。

アイスキャンディーは数角(数円)から数元(数十円)に値上がりし、麺は1杯当たり数元(数十円)から10数元(数百円)になったが、ライターの値段は1~2元(約20~40円)のままだ。使い捨てライターの値段は20年間ほぼ変わらないが、気に留める人は非常に少ない。中国のライター年間生産量は150億個で、世界の7割前後を占める。そして湖南省邵東市だけで昨年のライター輸出量が35億2000万個に達し、同年の全国の輸出量の50.1%を占めたことを知る人はさらに少ない。湖南省中部の奥地にあるこの小さな市は、「ライターの都」と呼ばれている。

細々した製品は、1つ1つは小さいがちりも積もれば山となる。1つ1つの利益はとても小さいが、規模が大きくなるともうけが出る。ライターの安い価格は、「ローレベルの製造業」という印象をもたれがちだが、その製造工程は非常に複雑だ。30個以上の部品があり、ガス充填や着火テストなど複数の工程を経て、さらに10数種類のテストが終わってやっと出荷できるようになる。さらに重要なことは、このプロセスのコストを3角(約6円)以内に抑えなければならないことだ。こうした極限のコストパフォーマンスは潜在的な競争者にとってこの産業に参入する時の高いカベとなる。原材料コストと人件費は上昇を続けるが、使い捨てライターは20年間同じ価格で販売され、邵東のライターメーカーは頑張り続けている。

一部の地方の薄利多売型産業が長期にわたり競争力を維持しようとする時の大きな難題は、関連企業の研究開発とイノベーションの資金が足りず、他の企業に容易に取って代わられることだ。2009年に政府の仲介により、邵東のライター輸出企業6社と関連企業5社が提携して、統一的に研究開発・成形・テスト・販売を行う電気グループを立ち上げ、技術の研究開発に毎年2000万元(約4億円)を投入し、これまでに発明特許など数百件を超える知的財産権を取得した。10数年に及ぶ発展の中で、邵東には100社に上るライターサプライチェーン企業が生まれ、整った産業チェーンを形成している。風よけライター、ターボライター、フリント式ライターなど、異なるタイプの数100種類のライターがあり、どのタイプも数十個の部品が必要だが、邵東ではどの部品も車で30分以内の距離にあって速やかに手元に届けられるという。

邵東のライター産業は街中のコンビニにある一番目立たない1元のライターからスタートし、資源に乏しい環境の中でコツコツと基幹産業を育ててきた。こんな邵東のライター物語がもたらしたヒントは、政府、企業家、技術者、作業員が力を合わせて協力し努力を重ね、開発製造に懸命に取り組み、生活雑貨のバリューチェーンを伸ばしていけば、より多くの「メード・イン・チャイナ」の看板を輝かせることができ、グローバル消費市場におけるメード・イン・チャイナの可能性を広げることができる、というものだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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