中国紙・環球時報によると、オーストラリアの公共放送局SBSのニュースサイトはこのほど、「TikTokだけじゃない、中国製スマートフォン用アプリに対するオーストラリア人の興味はあなたの予想を上回るだろう」とする記事を掲載した。

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記事はまず、オーストラリア政府が4月、中国系の動画共有アプリ「TikTok」について、「重大なセキュリティーやプライバシーのリスク」を理由として、連邦政府機関の端末での利用を禁止したことに言及した。

記事はTikTokについて、報告書「デジタル2022：オーストラリア」によると、オーストラリア人の間で最もダウンロードされているモバイルエンターテインメントアプリで、全体のダウンロードチャートでは3位にランクされていること、オーストラリア人ユーザーの間での普及率は37％に達し、その勢いはさらに続いていること、オーストラリア人が最も長い時間利用するアプリでもあり、ユーザーの月平均利用時間は前年比40％増の23．4時間であることを紹介した。またTikTokを展開する字節跳動（バイトダンス）の海外向け動画編集アプリ「CapCut」も好評で、4月末時点でオーストラリアのApple App Storeのダウンロードランキングで5位に入っていることを伝えた。

記事によると、オーストラリアで人気のあるもう一つの中国系アプリが、電子商取引大手、拼多多（ピンドゥオドゥオ）の「Temu」だ。衣料品や電子機器から、園芸用品、車の装飾品に至るまで幅広い製品を提供するTemuは、この1カ月の間に、オーストラリアのGoogle PlayとApple App Storeの両方でアプリランキングのトップの座を急速に獲得した。

「SHEIN」もオーストラリアで大きな市場シェアを獲得しているショッピングアプリで、より安価な中国製品が電子商取引プラットフォームを通じてどのように国際市場を獲得したかを示す好例とされる。2022年には全世界で2億ダウンロードを記録し、オーストラリアではショッピングアプリランキングのトップ10の「常連」だ。

記事はさらに、「ソーシャルメディアやショッピングアプリに加えて、モバイルゲームも中国系アプリの世界展開における大きな力となっている」と指摘。中国自主開発ゲームの22年の海外市場における総売上高が173億5000万米ドル（約2兆4152億円）に上ったことや、「原神」が4月末時点でオーストラリアで売上高2位のアドベンチャーゲームであることなどにも触れた。

記事は、中国系アプリの強みについて、シドニーに本拠を置くハイテク新興企業のシニアソフトウエアエンジニア、ヘンリー・リン氏のコメントとして、「中国系アプリにはさまざまなカテゴリーにわたって明確な利点がある」「伝統的な産業に関して言えば、TemuやSHEINのようなアプリは中国の製造能力の利点と、物流と倉庫の強みを活用し、低価格な製品を低コストで世界市場に提供することができる」「TikTokなどのソーシャルメディアアプリに代表されるように、中国のハイテク企業は海外市場でも自社のアプリで成功を収めている」「集中的な労働力と多大な開発作業を必要とするゲーム業界にとって、中国企業には独自の利点がある。中国のゲーム業界は数百万人を雇用している。収益モデルに関しても、中国のゲーム会社には独自の手法があり、競争の激しいゲーム市場で抜きん出ることを容易にしている」などと伝えた。（翻訳・編集/柳川）