Record China 2023年6月4日(日) 20時30分
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中国のポータルサイト・網易に5月30日、「天空の城ラピュタ」の魅力と思想を探る文章が掲載された。
中国では6月1日から同作のリマスター版が公開されている。文章はまず、「『天空の城ラピュタ』は日本を代表するアニメーションの巨匠、宮崎駿氏が監督した想像力に満ちたアニメーション映画で、模索と再会、友情と冒険を描いている」と説明。「作品の舞台は、人類文明の秘密が隠された『天空の城』と呼ばれる謎の浮遊都市ラピュタ。少年パズーは、ふとしたきっかけでラピュタから来た王女シータと出会い、天空の城を探し、その謎をめぐる冒険に巻き込まれていく。スリリングな冒険の連続を通し、パズーとシータは徐々にラピュタの秘密を明らかにしていくと共に、人間と自然の関係、そして生命の意味を理解していく」と紹介した。
文章は、「『天空の城ラピュタ』の独特な設定と見事な冒険譚は印象的だが、それ以上に忘れられないのは、作品から伝わってくる深い哲学だ」と言及。「宮崎駿監督は作中で人類の自然に対する尊敬と恐怖を示しただけでなく、人類文明と科学技術の発展、そして自然環境についての深い思想を表現している。作中で、空に浮かぶラピュタは1つの大きなメタファーのように、人間の欲深さと自然の掌握に対する切望を表しているが、人間がテクノロジーに過度に依存し、自然を掌握しようとすると災いをもたらす可能性がある。同作は、人間は自然を尊重し、調和して生きるべきだということを思い出させてくれる」と述べた。
また、「観客として私は大いに感銘を受けた。宮崎駿監督はこの作品を通して、想像力に満ちた世界を見せてくれただけでなく、自然との関わりや、科学技術の利便性を享受しながら自然環境を守るにはどうすればいいのか考えさせてくれた」とした上で、「宮崎駿監督は人間性と社会に対する深い理解を示した。パズーとシータの冒険には、人間の優しさと勇気が見えるが、貪欲さと愚かさも見えてくる。(キャラクターの)人間性を掘り下げた結果、ただのアニメ映画作品ではなく、啓発的な作品となった」と評した。
さらに、「『天空の城ラピュタ』のテーマは、人と自然、テクノロジーと生命のバランスが核だ」と考察。「パズーとシータがラピュタを守り、大切にしてきた自然も守ろうと奮闘する姿を見て、人類はもっと自然を尊重し、科学技術の進歩による変化に慎重になるべきだと痛感した」とし、「科学技術の進歩が自然環境に与える影響や、人間と自然との関わり方、そして私たちがその課題にどう対処していくかといった、見過ごされがちな社会問題を探求するように映画は導いてくれる。同作を見終わった後、豊かで深い旅をしたような気がした。自分の価値観を見直し、自然との関わり方や、テクノロジーが急速に発展している昨今、どのように折り合いをつけるべきか改めて考えさせられた」と述べた。
一方、文章は同作の冒険要素についても言及。「『天空の城ラピュタ』は、日常的でありながら非日常的な冒険へといざなってくれる。フィクションでありながらダイナミックな世界で、友情、勇気、愛、苦しみ、衝突、戸惑いを目にすることになる」とした上で、「同時に、困難に直面しても決してひるまず、恐れもしないパズーとシータの友情と冒険精神にも感動した。彼らの物語は、人生の課題に直面しても、真っすぐ突き進んでこそ、本当の答えを見つけることができるということを思い出させてくれた」と評した。
最後に文章は、「『天空の城ラピュタ』はビジュアルと哲学を併せ持った作品だ。幻想的な世界を繊細なタッチで描き、深みのある物語で人間と自然の関係性への反省を促す。同作は私が求めていた作品の需要を満たしただけでなく、同時に現実世界に対する思索を深めさせた」と締めくくった。(翻訳・編集/柳朱音)
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