エモい時は電子木魚?若者の間で「電子木魚」が人気に―中国

人民網日本語版    2023年6月4日(日) 23時30分

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中国では最近、仕事や生活のストレスを解消するために「電子木魚」を利用する若者が増えている。

中国では最近、仕事や生活のストレスを解消するために「電子木魚」を利用する若者が増えており、「エモい時は発散が必要で、『電子木魚』をたたくと自分に優しくなれる」としている。あるショート動画プラットフォームでは関連する内容の動画再生回数が1億5000万回以上に達し、中国の動画配信サイト・ビリビリ(bilibili)で「電子木魚」と検索すると、再生回数が数十万回、ひいては100万回以上の動画までヒットする。

「電子木魚」とは、若者の間で人気になっているストレス解消系アプリのことだ。ネットユーザーからは、「木魚をたたくという儀式を通して、自分を見つめなおし、魂を救うことができるほか、功徳を積むことができる」といったコメントも寄せられている。もちろん、これは自分を慰める方法の一つにすぎない。実際のところ、多くのネットユーザーが「電子木魚」をたたいているのは、宗教儀式に興味があるわけでも、本当に功徳を積むことができると信じているからでもなく、仕事や生活のストレスのはけ口を求めていたり、または単純にそれを楽しんでいたりするだけだ。

「電子木魚」を叩く音は、ホワイトノイズで、単調な一定のリズムであるため、気分をリラックスさせたり、注意欠如・多動症(ADHD)を患う子供の症状を緩和させたりすることができ、心理療法でも活用されているという分析もある。「電子木魚」はネットユーザーが「病みつきになる」、「ストレス解消できる」と感じているのもそのためだろう。


ストレスやイライラを解消できるというSNSの話題やゲームはひっきりなしに登場している。過去にも広く人気を集めた幸運をもたらすとされた「錦鯉」、タロットや星座運勢といった占い、ミニゲーム「羊了個羊」、そして、今回の「電子木魚」などはどれも、新鮮さを求める若者の楽しみとなっている。

学校や職場、普段の生活といった現実の世界で激しい競争に巻き込まれている若者は、ますます大きなプレッシャーを感じるようになっており、「激しい競争にも追いつけず、寝そべってもすっきりしない」というジレンマに悩まされている。人間関係に気を遣いながら、将来のキャリアプランや人生の方向性も考えなければならず、理想と現実のはざまでもがいている。こうしたことを背景に、心を落ち着けてくれる「電子木魚」が話題となったのかもしれない。

ネットユーザーは「電子木魚」をたたきながら、自嘲気味の書き込みをして、共感してくれる他のネットユーザーを見つけている。例えば、「『木魚』でもたたいていないと、1日だって仕事なんてやってられない」としているのは、「業績」のことばかり言われて、息のつまりそうな生活を送る社会人の声だ。そして、「毎日単語を暗記する前にまずは『電子木魚』を1~2分たたいている」と話すのは、学歴や将来のことを考えて不安になっている大学院試験受験生だ。これらの若者は、個人としての存在感を示しながら、共感してくれる仲間を探して帰属感を得ようとしている。そして、ネット上のサブカルチャーにおいて、ストレスに耐えるための「サイバー空間」を作り出しているのだ。

こうした現象について、僧侶の延参法師は、「現実の世界で激しい競争に追いつけないと感じた時、電子木魚をたたきながら笑い、心を癒し、楽しい気分になり、木魚の音を通して、心を落ち着かせ、平安な気持ちを得るというのを、ライフスタイルの一つにしても良いだろう。誰かの善行を褒める時、よく『功徳は計り知れない』という。若者が電子木魚をたたいて、自分自身で心のジレンマを解消することは、天を怨み人を責めるわけでもなく、誰かに迷惑をかけるわけでもなく、混乱をもたらして誰かを傷つけるわけでもなく、まさにその功徳は計り知れないといえるだろう」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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