中国商務部、外資参入ネガティブリストさらに削減へ、外資離れに歯止め

Record China    2023年6月10日(土) 6時0分

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中国商務部は外資参入のネガティブリストをさらに削減する方針を明らかにした。不透明な政策決定や地政学リスクなどから、外資離れの動きがあり、これに歯止めをかける狙いとみられる。写真は上海。

中国商務部は外資企業をより積極的に呼び込むため、外資参入のネガティブリストをさらに削減する方針を明らかにした。国営新華社通信が伝えた。中国では不透明な政策決定や地政学リスクなどから、外資離れの動きがあり、これに歯止めをかける狙いとみられる。

中国は新型コロナウイルス禍からの経済再生や少子高齢化への対応などで外資企業の呼び込みに力を入れている。その一方で厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策からの急転換は、不透明な政策決定というリスクを浮き彫りにした。「中国は最重要な投資先ではなくなった」(中国米国商会の報告書)などと対中イメージは悪化している。米国との対立や台湾海峡の緊張激化などの地政学リスクも顕在化した。

コロナ禍で経済が落ち込む中、中国政府は昨年、外資の投資を歓迎する分野をまとめた「外商投資奨励産業目録」を発表。対象項目は以前より2割増えてハイテク産業や医療機器など約1500に及び、優遇税制の対象となる。

新華社通信によると、中国国務院新聞弁公室が5日に開いた全国統一大市場の構築に関する国務院政策定例ブリーフィングで、商務部市場体系建設司の周強司長は全国統一大市場の構築を積極的に推進するため外資導入に向け、四つの方面に重点的に取り組むと説明した。

その第一は市場参入の拡大。外資参入ネガティブリストの規制項目を合理的に削減し、外資参入制限をさらに撤廃、緩和する。自由貿易試験区や海南自由貿易港、国家サービス業開放拡大試行モデル、国家級経済技術開発区などの開放プラットフォームの試行とけん引の作用を発揮、国際的なハイスタンダードの経済貿易ルールに照らし、関連分野の改革を深め、制度型開放を着実に推進する。

第二は投資促進に力を入れる。「中国投資年」の企業・資金誘致イベントを行い、各方面の資源を生かし、的を絞った企業・資金誘致を促進する。

第三は外資系企業向けサービスの強化。重点外資プロジェクト特別担当チームを十分に活用し、協同保障メカニズムを整備、外資系企業や外国商工会議所との交流を深め、重点外資系企業・プロジェクト向けのサービスの効率と効果を高める。

第四は世界一流の外国企業向け投資環境の構築。「外商投資法」と関連実施条例を着実に実施し、外資系企業の内国民待遇を確保する。政府調達や入札募集、標準作成などの分野に焦点を当て、関係部門と共同で政策・措置を検討、作成し、外資系企業の平等な参入を保障する。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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