人民網日本語版 2023年6月10日(土) 9時0分
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中国の大型旅客機C919はこのほど最初の商用運航となる定期便の運航を終え、正式に民用航空市場に投入された。
中国の大型旅客機C919はこのほど最初の商用運航となる定期便の運航を終え、正式に民用航空市場に投入された。これから国産の大型旅客機に乗って空の旅に出かけることになる。
C919は旅客を空へ運び、商用運航を行うだけでなく、中国民用旅客機の産業チェーンの全体的な発展を力強く牽引する役割も果たし、さらには中国航空工業の産業高度化も牽引することになる。
C919は中国が初めて国際的に通用する耐空性基準に基づいて独自に開発した、独自の知的財産権を持つ幹線用ジェット旅客機だ。2007年にプロジェクトがスタートし、17年に初飛行が行われ、22年9月にすべての耐空証明を取得して、中国民用航空局が発行する型式証明を取得した。これは運-10に続く、中国にとって真の意味での民用航空の大型旅客機の第一号だ。
今回商用運航を行ったC919は中国商用飛機が開発・製造し、22年12月9日に中国東方航空に引き渡された。引き渡された後に100時間の検証飛行が行われ、予定の路線を運航する能力があるかどうか全面的な検査が行われた。
同社の魏応彪(ウェイ・インビャオ)副社長は、「これまでの数世代もの人々の努力により、中国の民用航空輸送市場は初めて中国独自開発の幹線用ジェット旅客機を持つようになり、大型旅客機事業が大規模化・システム化して発展する新たな道のりを歩み始めた」と述べた。
昨年末現在、C919は企業32社から1035機の注文を獲得した。今年も注文が増え続けている。23年4月には海航航空集団との間で100機の調達合意に調印し、そのうち60機はC919になることが確定している。
大型旅客機は工業の王冠に輝く宝石と言われ、一国の科学技術力、工業水準、総合力が集中的に現れるものとされる。国産民用大型旅客機C919の商用運航と大量生産がスタートすれば、航空機製造産業チェーン全体の発展を牽引することになる。
中国民航大学航空臨空経済研究所の李暁津(リー・シャオジン)所長は、「C919の初飛行は単に1つの製品が誕生したというだけでなく、1つの産業の誕生という意味合いがより強い。大型旅客機は航空分野の発展ニーズに応えるだけでなく、多くの基礎学科の重要な進展を牽引し、新材料、現代型製造業、先進エンジン、電子情報、自動制御、コンピューターなどの分野の重要技術がまとまってブレークスルーを達成するのを後押しし、多くのハイテク産業の発展を牽引することにもなる」との見方を示した。
C919の目録上の単価は6億5300万元(約130兆6000億円)で、商用化した運営と市場化した大量生産が実現すれば、川上から川下に至る企業にビジネスチャンスをもたらし、中国航空工業産業チェーンの全面的な高度化を牽引することになる。
同研究所の試算によれば、民用航空機の寿命を10年として計算すると、大型旅客機が中国にもたらす経済的付加価値の寄与度は1対86で、雇用への寄与度は1対9.6だという。李氏は、「C919の機首、機体、尾翼、主翼など外側の『殻』はそれぞれ成都飛機工業集団、洪都航空工業、瀋陽飛機工業集団、西安飛機工業集団といった国内メーカーから調達したもので、各分野計30万人近くが大型旅客機C919の開発に参加し、民用航空機製造分野で数多くの中国現地の人材を育てている」と例を挙げながら説明した。
専門家の分析によると、現在の大型旅客機の投入産出比率を1対80として計算すると、現在のC919の国産化率が変わらなければ、国産大型旅客機は産業チェーンの中の企業へ1兆元(約20兆円)規模の巨大市場をもたらす可能性がある。国産化率が上昇すれば、産業チェーンとサプライチェーンがさらに次の段階に進み、中国の航空工業に発展の新たな原動力を注入することになるという。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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