Record China 2023年6月17日(土) 6時0分
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15日、環球時報は、日本政府が打ち出した「異次元の少子化対策」について懐疑的な見方を示す、中国社会科学院日本研究所の張伯玉研究員による文章を掲載した。
2023年6月15日、環球時報は、日本政府が打ち出した「異次元の少子化対策」について懐疑的な見方を示す、中国社会科学院日本研究所の張伯玉(ジャン・ボーユー)研究員による文章を掲載した。
文章は、岸田文雄政権が13日に「こども未来戦略会議」を開き、「異次元の少子化対策」の方針を固めたと紹介。その内容について、2024年10月より児童手当の増額、26年度より出産費用の保険適用導入、25年度までに時短勤務による賃金低下を補う給付制度導入といったものであるとし、「いずれも現行の措置を延伸、拡大したものだ」と評した。
その上で、同政権の少子化対策が子育て拡充政策に向けた予算を倍増させるという点で「異次元」の性質を持っているとする一方、各措置の具体的な規模や必要な予算、さらには財源さえもが未確定な状態であると指摘。それにもかかわらず今、このタイミングで「異次元の少子化対策」を打ち出したのには「一目瞭然」な理由があるとした。
張氏が理由として挙げたのは「選挙の票集め」だ。文章は、衆議院の解散総選挙が年内に前倒して行われる可能性があると指摘。「児童手当の所得制限撤廃」「高校卒業まで児童手当を延長」といった具体的な措置を盛り込むことで、来たるべき大きな選挙で票を集めるための宣伝効果を狙ったと論じた。そして「異次元の少子化対策」が実際にどの程度の成果を出すかについては「岸田政権にとって最大の関心事ではないかもしれない」との見方を示した。
文章は、日本の人口構造を見れば、少子高齢化対策を政治的に先延ばしするような行為は許されないとした上で、岸田首相が30年までの6〜7年が少子化を逆転させる最後のチャンスと強調していることについて、「単に既存の措置を拡充、強化しただけで、てきめんの効果が出ることはほぼありえない」と指摘。子ども世帯の支援以上に必要なのは結婚の促進であり、そのために政策面での効果を最大限発揮すべきだと日本国内の専門家を含めて多くの人が認識していると伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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