中国銀行がロシア顧客の送金を制限、その理由は?―独メディア

Record China    2023年6月22日(木) 15時0分

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21日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国銀行がロシアの顧客による欧米などの銀行との取引を制限すること決定したと報じた。

2023年6月21日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国銀行がロシアの顧客による欧米などの銀行との取引を制限すること決定したと報じた。

記事は、中国銀行がロシアの顧客と欧州連合(EU)、米国スイス英国にある銀行に関係する送金取引を制限すると紹介。ロシア国営メディアRBCなどが同国大手証券会社フィナムによる情報を引用し、ロシアの顧客がコルレス銀行口座を通じて人民元、米ドル、香港ドル、ユーロで送金を行うのを中国銀行が停止し始めたと報じたことを伝えた。

そして、ブリンケン米国務長官の訪中と、中国銀行によるロシア人顧客の送金制限決定との関係性について「偶然かもしれない」とする一方で、中国側の米国に対する譲歩、あるいは中国の戦略的におけるロシアの重要性低下という意味を持つ可能性もあるとした。

また、西側による現行の対ロシア制裁ルールでは制裁実施国の銀行が制裁対象のロシア企業と直接取引することを禁止する一方で、中国のような第三国については明確に禁止されていなかった上、欧米諸国はこれまで、制裁を受けたロシア企業が非欧米諸国に送金することを禁止する二次的制裁を実施することに消極的な姿勢を見せていたとした。

その上で、米陸軍士官学校のロバート・パーソン准教授が「これは中国が二次的制裁の脅威を懸念していることの表れ」と述べ、元EU外交官のアルブレヒト・ロタハー氏も「結局のところ、石油・ガス、木材、鉱物を除いて、中国にとって米英やEUとのビジネス関係はロシアとの関係よりもはるかに重要なのだ」と語ったことを伝えた。

記事はさらに、ビザやマスターカードが22年3月にロシアから撤退した後、ロシア人にとって生命線だったはずの銀聯(ユニオンペイ)も欧米から制裁を受けたロシアの銀行との関係を断ち切ったほか、中国工商銀行など中国系銀行3行も22年にロシア貿易への融資を打ち切ったことを紹介。米シンクタンク大西洋評議会のマイア・ニコラズ氏が「中国の行動はロシアに対する制裁の効果を弱めているものの、一方でその行動は常に戦略的利益と米国による二次的制裁に対する恐れによって制約されてきた」と語ったことを伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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