Record China 2023年6月24日(土) 12時0分
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中国の住宅所有者は不動産こそ信頼できる蓄財手段という数十年にわたる確信を失いつつある。最大の経済都市・上海のような誰もが憧れる市場さえ売却を急ぐ動きが目立っている。
中国の住宅所有者は不動産こそ信頼できる蓄財手段という数十年にわたる確信を失いつつある、と米ブルームバーグ通信が報じた。最大の経済都市・上海のような誰もが憧れる市場さえ売却を急ぐ動きが目立ち、当局には不動産に代わる経済成長の新たな源泉を見つけるよう圧力が強まっている。
ブルームバーグ通信が紹介した中原地産の集計データによると、金融の中心地である上海の希望売却価格は3カ月連続で下落。中国が昨年末に新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)から脱する前以来の低水準に落ち込んだ。
経済観察報の今月の報道では、在庫急増にもかかわらず、5月の同市の取引は3月に比べて3割強減り、約1万60000戸にとどまったという。
住宅所有者や不動産業者、アナリストへのインタビューからは、不動産が常に中国で最も安全な投資先の一つだという信頼が薄れ、景気減速に拍車を掛けていることが浮き彫りになった。
投機的な購入の抑制を目指す政策当局にとってこうした考え方の変化はある意味歓迎すべきことではあるものの、経済全体の勢いが失われつつある今、望むよりも深刻な不振に陥るリスクが高まっている。
カナダの金融会社、パワー・サステイナブル(上海)・インベストメント・マネジメントのジュン・リー最高投資責任者(CIO)は上海について「ここでは売り圧力が実に強まっている」と説明。「住宅所有者の間では、市場はピークに達したというコンセンサスに至ったようだ」と指摘した。
銀行員のソンさんは最近、上海の一等地である静安区のアパートを約1000万元(約2億円)で売却した。「不動産ブームで現金化できる最後の機会の一つだと考えている」と語った。35歳のソンさんは現在も家族で中国に他の不動産を所有しているが、不動産税の見通しや不動産セクターの長期的減速を理由に、このセクターへのエクスポージャーを減らしたい考えだという。
不動産調査会社の中国指数研究院がまとめたデータによると、中国の100都市の中古住宅価格は5月に少なくとも2022年以降で最大の下落を記録した。
E-ハウス・チャイナ・リサーチ・アンド・デベロップメント・インスティチュートの調査ディレクター、ヤン・ユエジン氏は「上海は今、中国で最も低迷している中古住宅市場だ」と断言。「全国的にも流通市場の需給は悪化している」と分析した。(編集/日向)
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