なぜ世界の製造業の多くがまだ中国を拠点にしているのか―豪メディア

Record China    2023年7月1日(土) 8時0分

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16日、環球網は「なぜ世界ではまだ多くの製造業が中国にとどまっているのか」と題した豪メディアの文章を紹介する記事を掲載した。

中国メディアの環球網は「なぜ世界ではまだ多くの製造業が中国にとどまっているのか」と題した、豪メディア「ザ・カンバセーション」の14日付文章を紹介した。

文章は、中国経済の目覚ましい台頭が地政学的に多くの課題を生み出し、米国を中国との貿易戦争に駆り立ており、これまで中国に生産拠点を築いてきた多国籍企業は、ベトナム、バングラデシュ、インドなど、アジアの低コスト生産地に製造拠点を移す必要に迫られていると紹介。また、新型コロナによる世界的なサプライチェーンの混乱を受け、製造業の本国回帰、あるいは本国に近い拠点への移転を呼びかける声も出ているとした。

一方で、多くの企業はいまだに中国からの生産移管を進めていないと指摘。その原因について「中国が製造業を掌握していることが実際に証明されているからだ」とし、 他の新興国と比べて中国の労働力は割高であるものの、その生産性は労働コストのデメリットを打ち消して余りあるほど高いと説明した。

その上で、あるグローバル・ソーシング企業の幹部がパーカーの生産を例にとって中国の製造業がいかに発達、充実しているかを解説し、パーカー生産において中国が紡績から裁断縫製、トリミング、染料、ジッパー、ひもに至るまでサプライチェーン全体、工程の各セクションを一手に掌握する戦略を取っていると説明したことを伝えた。

さらに、中国は米国産を含む世界のウールや綿花のほとんどを輸入、加工して生地を作り、さらに染色や縫製などを施した上で、米国を含む世界各地に輸出しており、繊維生産のシステム全体が中国にあるとし、これは繊維産業だけでなく、他のほとんどすべての製品についても当てはまると指摘した。

文章は、米国やカナダの小売業者が繊維製品の生産を中国から移そうと思えば、生態環境全体を移さざるを得なくなるため、中国から撤退するコストは非常に高くなると紹介。製造業の生態環境が中国に残り続ける限り、世界の製造業に占める中国のシェアも大きいままだろうとの見解を示している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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