米ラジオ・フリー・アジアの中国語版サイトによると、中国のSNS上にこのほど、現在流通している2020年発行の第12版「新華字典」に「倭寇」が見当たらないのはこの語が削除されたことを意味するとの投稿があり、官製メディアが真相を明らかにしてデマを打ち消した。

新華字典は中国で最も権威ある字典とされる。記事によると、中国出版営銷週報は27日、SNSアカウントを通じて声明を出し、新華字典は1950年代以降のすべての版で「倭」の下に「倭寇」を収録していないので、SNS上で拡散した「倭寇」を削除したという情報は事実ではないと説明した。官製メディアの中央広播電視総台のニュースサイトも、新華字典が「倭寇」を削除したとする主張は事実ではないと伝えた。

しかし、SNS上では、新華字典に「倭寇」が収録されていないのは受け入れられないとする極端な民族主義的主張も多く寄せられているという。

記事は、倭寇について「13～16世紀に中国および朝鮮半島の沿岸部に出現した日本を起源とする海賊集団を指す言葉で、その人員は多くの国や民族集団から来ていた。近代以降は東アジアの国によって日本人に対する蔑称として使われてきた」と伝えた。（翻訳・編集/柳川）