元外交官らエリート層の脱北増加 、忠誠心が変化、金正恩政権への警鐘―台湾メディア

Record Korea    2023年7月1日(土) 7時0分

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北朝鮮からの亡命を選ぶエリート層が近年増加。台湾メディアは「その背景にあるのは人々の忠誠心の質的な変化だ。金正恩政権に対する警鐘とも言える」との見方を示した。写真は中国と北朝鮮の国境。

北朝鮮からの亡命を選ぶエリート層が近年、増えている。台湾・中央通信社(CNA)はソウル発で脱北者へのインタビュー記事を掲載。「その背景にあるのは人々の北朝鮮の体制や指導者に対する忠誠心の質的な変化だ。同時に金正恩(キム・ジョンウン)政権に対する警鐘とも言える」との見方を示した。

CNAによると、2003年に脱北した北朝鮮の元外交官、金光進(キム・グァンジン)氏は「脱北の理由はこれまで生死に関わるものが多かったが、今はもっと多様になっている。最も重要なのは北朝鮮には希望も未来もないということだ」と語った。

欧州などで近年、脱北したり脱北を試みたりする外交官が散見されるようになった。「既得権益者」とされる外交官のような生活に困らないエリート層の相次ぐ脱北は、韓国政府の注意を引いた。

エリート層の脱北は、北朝鮮の体制に問題があることを示すと金光進氏。コロナ禍で国境が封鎖され、人々の生活も立ち行かなくなる中、政府はミサイルの発射など挑発的な行為を続けた。

「海外に7、8年住んでいれば分かりますよ。帰れば家族と監獄の中で一生を過ごすようなものだって」。多くの人が北朝鮮を離れるかと悩んでいるはずだと金光進氏は推測する。

脱北して10年がたつという金智英(キム・ジヨン)さん。対北放送を行う韓国の民間団体「自由北朝鮮放送」の局長を務める。「政権中枢に近い家柄ではなかったけど、ある程度の身分があり比較的裕福な家だった」。両親は忠誠心の厚い朝鮮労働党の党員だったという。

その身分を失ったらどうなるのか。金智英さんにとって脱北は恐ろしいことに感じられた。だが、韓国に来て生活の質の差を思い知らされた。「北朝鮮は比べものにならない」。北朝鮮では韓国はひどい場所だと洗脳されてきた。「申し訳ないと思うし、今は北朝鮮の人を哀れに思う。この事実を一生知ることがない人はきっと多いから」とも語った。

金正恩政権は北朝鮮が「正常な国家」であるとのイメージを確立することに努めてきた。だが金智英さんは「北朝鮮では人権、自身の権利というものを実感したことがない」と話す。「言論の自由、居住移転の自由、選挙の自由、信教の自由などほとんど知りませんでした」と打ち明けた。

今後について、金智英さんは正常な交渉による北朝鮮の非核化は実現不可能だとした上で、「人権問題は金正恩政権と渡り合う上で最大の切り札になる」と強調した。金光進氏も「人権問題は北朝鮮のアキレス腱(けん)です」と声をそろえる。さらに「人権は普遍的な価値としての意義を持つだけでなく、北朝鮮の世襲体制の正当性などを揺るがし得るものだ」とも訴えた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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