日本経済の成長源になりにくいロボット産業―中国紙

Record China    2014年7月27日(日) 21時32分

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23日、安倍首相はロボットを新しい成長戦略の重要な柱にするとしているが、中国紙はロボット産業は日本経済の成長源になりにくいと指摘している。写真は中国の自動車メーカー、長城汽車の生産ライン。

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2014年7月23日、安倍首相はこのほど、埼玉県加須市にあるメーカーの工場と東京都内の特別養護老人ホームを視察し、「日本はロボットを新しい成長戦略の重要な柱にする。ロボットの潜在能力を開拓することで日本経済の成長を実現したい」と強調した。人民日報が伝えた。

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安倍首相のロボット構想は一時的な思いつきではない。ここ数年来、日本は多くの分野でロボットの普及に力を入れており、高齢者の介護、農業、工業、人命救助などを重点としてきた。一方では、ロボットを利用することで人口の高齢化と労働力減少などがもたらす一連の社会問題を解決すると同時に、成長を促す役割を果たしたい考えだ。また一方では、日本政府は補助金の支給、減価償却、減税、優遇ローンといった一連の支援方法により、ロボットメーカーが技術革新を進めるよう奨励し、社会と企業がロボットの応用力を強化するよう推進して、未来のグローバル人口知能の戦いの中で主導的優位に立つことを目指している。

日本は「ロボット王国」と呼ばれる。1980年代以降、ロボットの生産と輸出はいずれも世界一だ。日本はまた世界最大のロボット消費市場でもある。2012年の国内市場は約7000億円の規模に達し、20年には2兆4000億円に達することが予想される。統計によると、現在、投入・使用されている産業用ロボットは約100万台に上り、そのうち40%が日本にある。分布先の分野をみると、現在の日本ではロボットは主に自動車製造と電子機械製造の分野で使用され、中でも電子機械産業の部品パッケージや半導体パッケージなどの分野が約半数を占める。

日本はロボット産業でもともと優位に立っており、未来の人工知能技術には巨大な発展の可能性があり、こうしたことが安倍首相にロボットが未来の日本経済の新しい経済成長源になるという夢を見させたのだと考えられる。日本政府はロボットを「新経済成長戦略」に組み込むことを決定し、これによって他産業の発展を牽引しようと考えた。だが、現実は当初のもくろみとは大きくかけ離れている。

国内需要をみると、日本はロボットの需要が不足しているが、サービス用ロボットも産業用ロボットも価格が高く、多くの家庭では導入が難しい。日本政府の予測によると、25年には日本の介護産業従事者は100万人ほど不足するという。だが家庭用介護ロボットの価格は1台あたり最低2000万円と非常に高額なため、需要を抱えた人の多くが手を出せずにいる。また日本の農業従事者では65歳以上の占める割合が60%を超えており、無人トラクターや運搬用ロボットに対する需要が急増中だ。ロボットが農家に代わって土地を耕し、種を撒き、収穫を行えば、日本の農業人口の高齢化がもたらす問題はある程度解決されるが、それでも日本の農業に存在する構造的な問題を根本的に解決することは不可能だ。

国際環境をみると、安倍首相の右傾化政策によって日本は重要な貿易パートナーである中国や韓国との関係で緊張状態に追いやられており、これは日本から両国へのロボット輸出が難しくなっていることを意味している。川崎重工業をはじめとする日本の6大ロボットメーカーは今は中国での産業用ロボットの売り上げで半分以上を占めるが、日中関係が引き続き冷え込むようなら、ロボットを含む日中の経済貿易往来はより深刻な打撃を受けることになる。これと同時に、新技術の勃興にともない、世界各国はロボットを含む人口知能技術の開発・応用をますます重視するようになっており、日本のロボットが今後どれくらい優位性を保てるかはわからない。こうした点から考えて、安倍首相は日本のロボットが経済成長をもたらすことを期待するが、思い通りにはいかないだろう。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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