中国で結婚に抵抗感を持つ若者が増加=「声なき革命」―独メディア

Record China    2023年7月13日(木) 5時0分

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9日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレは、中国で結婚や家庭を持つ事に抵抗感を抱く若者たちが増加していることを分析する記事を公開した。

2023年7月9日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、高止まりの失業率と経済面でのプレッシャーにより、結婚や家庭を持つ事に抵抗感を抱く若者たちが中国で増加していることを分析する記事を公開した。

記事は初めに、今年6月に中国民政部が公表した婚姻に関する統計結果を紹介した。同統計によると、22年の中国国内の婚姻件数は683万3000組で、9年連続で減少しているだけでなく、ピークだった13年の1346万9000組からほぼ半減し、統計結果の公表を開始した1986年以降で最低を記録したという。また、「中国人口調査年鑑2020年版」によると、20年時点での中国の初婚の平均年齢は28.67歳で、10年間で男女とも4歳近く晩婚が進んだという。さらに、中国国家統計局が公表した統計によると、今年5月時点での都市部の青年(16~24歳)の失業率が20.8%となり、5人に1人が職に就けない状況になっているという。

次に記事は「若者たちはなぜ結婚を拒むのか」について、主に20代の独身男女複数名を取材し、「婚姻は自由と深く関わる。みんなが早く結婚しなければいけないわけではない」「結婚は私のキャリアに大きく影響する。必ずしもしなければいけないことではない」「就職活動のプレッシャーで婚姻のことまで考えることができない」「大規模なリストラで人手不足になり、解雇されるのが怖いからいつも残業している。友達の誘いや彼女と一緒に遊びに出かける余力なんて残っていない」などの回答があったことを紹介した。

記事は「特に結婚や出産の主体となっている『90後(1990年代生まれ)』から『00後(2000年以降生まれ)』の女性にとって、結婚は以前ほど関心の高いものではなくなっている。彼女たちは多くの教育を受け、経済的に独立することもできるため、婚姻を社会的なルールや安全装置だとは思っていない」「中国政府の政策や労働関連法規が、働く女性にとって、健全な生活を保護したり、労働市場での平等な競争力を担保するものになっていない」「現在の経済状況で、学歴に見合った働き口や十分な収入を得られない『学歴インフレ』の問題にも向き合わなければならない。さまざまな要因が重なって、若者たちは婚姻を拒絶している」と論じた。

記事は最後にキングズ・カレッジ・ロンドンのラウ中国研究所を取材し、「性別による不平等が中国の労働環境に根強く残っている。これにより仕事と家庭との間で選択を迫られる若い女性が多い」「女性が教育を受ける時間が長くなるほど、結婚や出産の年齢は遅くなる」「若者たちの結婚への抵抗は、遅かれ早かれ中国政府の統治に影響を及ぼすだろう。政府が政治プロセスの一環として若者たちの結婚を奨励する目的は、男性至上主義の父権社会を維持、延長させることにある」「結婚への抵抗とは、その父権社会に対する『声なき革命』のようなものだ」との回答があったことを伝えた。(翻訳・編集/原邦之

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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