大学生の間で「犬を借りて散歩」が人気に―中国

人民網日本語版    2023年7月13日(木) 22時30分

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中国の若者の間で犬を借りて散歩するのがひそかに人気となっている。資料写真。

そよ風が心地よい夏の夕方、江蘇省蘇州市の金鶏湖では、普段はオーストラリアのメルボルン大学に留学している呉さんが犬の散歩を楽しんでいた。呉さんは夏休みに帰国してから、ネットユーザーに犬を借りて、すでに5回このような散歩を楽しんでいる。中国新聞網が伝えた。

中国の若者の間で犬を借りて散歩するのがひそかに人気となっており、ネット上では「犬を飼っている人がいたら散歩させてほしい」「今年の夏休みは犬を借りて散歩を楽しむ」「大学生たちに散歩させられて、全国の犬が疲れている」といった投稿が目につくようになっている。無料で犬を借り、散歩させるというのが、犬を飼っている人と、飼いたくても飼えない人にとって、「ウィンウィン」の方法となっているのだ。SNS上では、「犬散歩代行します」というグループチャットに数百人が集まり、「引っ張りだこ」の犬の場合、夏休み期間中のスケジュールがいっぱいになっているほどだ。

呉さんは、「ショート動画で、周りの同年代の人が犬を借りて散歩しているのを見て、すごく面白いと思った。そこで、コミュニティーの微信(WeChat)のグループチャットで犬を借りて散歩したいというメッセージを送信したところ、すぐに貸してくれる犬の飼い主が見つかった。その後、その相手と身分証明書と学生証を確認し合って、犬を散歩する時間やコース、頻度などを決めた。犬の散歩のショート動画を作成したり、ライブ配信したりしてその散歩の様子も記録している」と話す。

ショート動画共有アプリ「抖音(中国版TikTok)」では現在、「大学生の犬の散歩」というタイトルの動画の再生回数が合わせて20億4000万回に達している。また、ソーシャルコマースプラットフォーム「小紅書」や微博(ウェイボー)でも、「犬を借りて散歩」関連の書き込みが多くなっている。中古品フリマアプリの「閑魚」は、「犬を借りて散歩」の都市別人気ランキングを発表しており、江蘇省や湖北省などの都市がランクインしている。

あるネットユーザーは、「犬を借りて散歩は『一石三鳥』。散歩させる人は、規則正しい生活ができ、ストレスを解消できるほか、ペットと一緒に過ごす時間が少ない飼い主の『申し訳ない気持ち』を埋めることができ、さらにはペットの身心の健康にもつながる」というコメントを寄せている。

南京大学社会学院の陳友華(チェン・ヨウホア)教授は、「ペットはすでに現代人の便利なソーシャルアイテムとなっている。多くの大学生が進学のストレスに直面しているほか、社会に出たばかりでストレスを感じている若者もいる。ペットに寄り添ったり、触れあったりすると、ストレス解消につながる。また、ペットの世話をすることで、若者は責任感を抱くことができるほか、ポジティブで前向きな気持ちになれる」との見方を示す。

ただ、法律関係者は、無料で犬の散歩を代行することにはリスクもあると指摘する。例えば、互いに提示し合う身分証明書の真実性やプライバシー問題、安全の問題などがある。また、借りた犬が原因で誰かがけがをしたり、ペットが熱中症になったり、迷子になったりするといった突発的なトラブルが発生する可能性もある。そのため、貸す方も借りる方も、事前によく話し合い、証明書を確認し合い、リスクをきちんと説明しておくことが必要だ。双方の責任や義務について記した契約書を事前に交わすのがベストだと呼びかけている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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