インドの“反中・愛国映画”を批判「これは毒入りスープだ」、中国メディアが社説

Record China    2023年7月17日(月) 14時50分

拡大

中国メディアの環球時報はインド映画の「インド人」を批判する社説を発表した。同作品は反中・愛国映画であり、「毒入りのチキンスープ」と評した。資料写真。

中国メディアの環球時報は15日付で、インドで制作された映画作品の「インド人」を批判する社説を発表した。同作品を「毒入りのチキンスープ」と評した。「毒入りのチキンスープ」とは、「激励を意図するメッセージなどがかえって悪い影響をもたらす」と評する場合の比喩表現だ。以下は、環球時報の社説の概要に若干の情報を追加して再構成した文章だ。

インドでは一部メディアや政治家が「インド人」は「すべてのインド人が必ず見るべき愛国主義映画」として、異常なほど称賛している。同作品の最大の“売り”は芸術水準の高さやドラマの魅力などではなく、極めて扇動的な反中感情だ。インドでは芸術や技術の観点からすれば、同作品にはほとんど取り柄がないとの批判もある。

作品が描くのはンド人の若者6人が中国に潜入して「極秘任務」を遂行するという冒険ストーリーだ。映画は台詞や映像により、ガルワン渓谷での中印両軍の衝突を示した。

中国とインドは国境線を巡り対立している。ガルワン渓谷は中印双方が自国領と主張する西部国境地帯のラダックにある。ガルワン渓谷では、2020年、21年、22年と連続3年にわたり、中印両軍の衝突が発生した。両軍ともに火器の使用は自制したが、殴り合ったことで双方に死傷者が出た。

「インド人」は、ガルワン渓谷でインド兵が死傷したことについて悲しみを示し、インド人に団結を呼び掛けた。つまり、この作品は単なる劇映画ではなく、反中国の宣伝映画であることが明らかだ。

インドの一部メディアは同作品を「愛国主義映画」と評しているが、同作品は決して愛国主義映画ではなく、憎しみを宣伝する偏狭なナショナリズム映画であり、大衆向け作品の越えてはならない一線の外に踏み出している。文明国ここでは決して容認されない作品だ。

同作品は中国人を「悪」であり「インドの敵」として露骨に描いている。同作品はインド社会に思想の毒をまき散らすようなものであり、見る人が多いほど、毒に染まる範囲が拡大する。

インドでは、20年にガルワン渓谷での衝突が発生した直後から、「反中神劇」の制作が盛んになった。今年(23年)になっても、制作計画が次々に発表されている。何を目的としてそのような映画を作るのかは分からない。人気を得るために軽率な考えをしているのかもしれないし、監督や制作チームの中国に対する誤解や悪意が反映されているのかもしれない。「反中」を利用していわゆる「愛国感情」で商売をしているのかもしれない。しかし、出発点がインドへの「愛」ではないことは明らかだ。また、映画という芸術を冒涜し、乱用していることも明らかだ。

このような劇映画は有害だ。中印関係を大きな背景としているが、中印関係の基本的な現実と事実から完全に乖離している。作品によって扇動された反中感情は、最後にはやはり何らかの方法で放出されることになる。中印関係に影響が及ぶだけでなく、インドに対してさらに激しい逆効果をもたらすことは必至だ。このような映画はボイコットされるべきだ。

インドでは年間2000本ほどの映画が生産されている。インド映画が海外で評価され、大きな興行収入を得ることは珍しくない。しかしインドでは「インド人」のような質の悪い有毒な映画がますます多くなっている。それらの共通の特徴は、事実を歪曲し、ストーリーを極度に誇張しすることだ。登場するインド人はこの上なく勇敢で、中国人は一撃で打ち負かされる。現実とは無縁の、実に笑える「精神的な勝利法」、すなわち妄想の中で相手を打ち負かすやり方に満ちている。インド人はこのような映画が出来上がったことに赤面しなければならず、インドの真の識者は懸念し、警戒せねばならない。

中国はインドに対して悪意も敵意も持っていない。われわれは中印が仲良くやっていくことを心から望んでいる。中国とインドが国境紛争を起こしたのは事実であり、係争は現在も続いている。しかし中国の対処方法は非常に抑制的で、見解の相違をコントロールすることに力を注いできた。インドが中国の善意と誠意を十分に感じ、「反中神劇」がインド社会の「毒入りのチキンスープ」であることを警戒すべきだ。「毒入りのチキンスープ」が中印関係に悪い影響をもたらすことは明らかであり、インド自身にとっても決して良いことにならない。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携