Record China 2023年7月22日(土) 6時0分
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中国共産党機関紙が「底辺から始めよう」と訴える若者の失業に関する記事を載せたことに対し、中国のネット市民たちは現実とかけ離れた助言だとの冷淡な反応を示している。
中国共産党の機関紙「人民日報」が「底辺から始めよう」と訴える若者の失業に関する記事を載せたことに対し、中国のネット市民たちは現実とかけ離れた助言だとする冷淡な反応を示している。韓国・ハンギョレ新聞が北京特派員発で報じた。
同紙によると、人民日報は10日、「正しい職業観を樹立しよう」との見出しを付けた時評で、このところ深刻な青年失業問題について若者に助言した。記事は「大学卒業生らの若者たちに重要なのは、自分の長所と社会が必要とするものの接点を探り、平安な心を保ちつつ仕事を選択すること」だとし、「長期的な視点、現場性、実践の中で学習能力と職業能力を向上させて初めて就職と起業でより多くの主導権を握ることができる」と述べた。
そして「青春は理想を持って奮闘しなければならない。農村振興、緑の開発、社会サービス、軍への服務など、さまざまな分野で青春の価値を実現できる」と強調。「祖国と人民が最も必要とする場所におもむき、情熱と誠意を尽くして働けば、後悔のない青春の記憶と一生の精神的富を得ることができる」と呼び掛けた。
この記事を読んだ中国のネット市民たちは、現実とかけ離れた「小言」だとの反応を示した。ネット市民の一人は中国版ツイッター「微博」で「なぜこの記事を人々は無視するのか。中国はすでに階層が固定化し、努力での突破は困難な時代になっている」「不公正のあるところに革命がある」と記した。
別のネット市民は「この記事は嘲笑(こうしょう)を免れない。この文章を書いた人はどんなルートで人民日報に入社したのか」とコメント。あるネット市民は「中国の若者たちが最も好む職場である国営企業の中国煙草総公司や中国石油総公司などで青春をささげて働きたい」と投稿した。
中国では5月の16~24歳の青年失業率が20.8%で史上最高値を記録するなど、青年失業問題が非常に深刻だ。今年の大学卒業者は実に1158万人で過去最多水準だが、彼らのお眼鏡にかなう良質の雇用は非常に不足している。そのため日本の「さとり世代」、韓国の「n放世代」のように家で横になって何もしようとしない若者を意味する「タンピン」という言葉が生まれている。
仕事を求めてあふれ出す若者たちを吸収するため中国当局は文化大革命期を思い出させる「農村に帰ろう」という運動を展開している。教育部など4省庁は大学卒業生の農村への就業を推奨する通知を発表した。農村で起業すれば各種の税制優遇を提供する、というのが骨子だ。(編集/日向)
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