AIめぐる主導権争い、中国の優位性と劣位性―独メディア

Record China    2023年8月3日(木) 10時0分

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30日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、人工知能(AI)分野で世界をリードしようとしている中国の強味と弱味について論じる記事を掲載した。

2023年7月30日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは人工知能(AI)分野で世界をリードしようとしている中国の強みと弱みについて論じる記事を掲載した。

記事は、中国政府が30年までに世界をリードするAI大国になることを目指し、多額の投資を行っていると紹介。今年だけでもAIプロジェクトに150億ドル(約2兆1000億円)を投資し、中国のハイテク企業がAIチャットボットの開発で米国のライバルと肩を並べ追い抜くことを支援すると伝えた。

そして、米国や英国が現在世界で最も先進的なAI研究所を持っているもののにもかかわらず、西側諸国が将来AI競争を支配すると考えていない専門家もいると指摘。台湾のコンピューター科学者である李開復(リー・カイフー)氏が「AIの革新段階は過ぎ去り、現在世界はAIの実装段階にある。その中で中国は自国民を監視することによる大量のデータの蓄積によってAIの実装に機先を制するだろう。AIプラットフォームはこのデータをトレーニングに利用できる」と述べたことを紹介している。

その上で、中国の野心を懸念する米国が最先端半導体チップの対中輸出に規制をかけており、AIの言語モデルに必要なチップを得られなくなった中国企業が打撃を受けているとしつつ「今後中国のハイテク企業は禁止を回避する方法を見つけるかもしれない」と指摘した。

一方で、中国がAIの世界的大国になるには他にも障害があるとし、政府が技術開発の推進を奨励しつつ、IT業界に対する取り締まりを強化する側面も見せており、企業がリスク回避の姿勢を強めるかもしれないと指摘。エール大学の研究者であるカルマン・ルセロ氏が「中国政府による検閲も不利になる可能性がある。議論を禁止されたトピックが多くなることにより、プログラムを書く上で膨大なデータの欠落につながり、その結果AIモデルは学習能力をフルに活用できなくなる。今日は議論が許されるトピックも、明日には禁止されるかもしれない」と論じたことを伝えている。

さらに、中国には政府の目標を達成するのに十分な高度スキルを持った人材が不足しており、このような人材が世界的に引く手あまたの状態の中でいかにして人材を確保するかも課題になっているとした。

記事はこのほか、この100年で米国の文化とテクノロジーが世界中に広まったことから、今後中国がAIで主導権を握れば、AIの世界における「中国色」が強まることが考えられるとした上で、ワシントン大学名誉教授でコンピューター科学・エンジニアリングが専門のペドロ・ドミンゴス氏が「中国には素晴らしい部分もたくさんあるのだが、イデオロギーという点では非常に危険だ」と指摘したことを紹介している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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