2023年8月1日、台風5号（トクスリ）の影響により、中央気象台から最も深刻な「赤色警報」が発令されたほどの集中豪雨に見舞われている北京市内で、高級ホテルが洪水の被害を受け、営業停止に追い込まれたことを伝える投稿がSNSの微博（ウェイボー）で注目を集めている。

中国メディアの澎湃新聞は、微博の公式アカウントを通じて、動画とハッシュタグ「北京悉曇酒店（Xitan Hotel）が豪雨で流された件に回答」付きで、「北京悉曇酒店が臨時休業し従業員を避難させた。7月29日から続く集中豪雨のため、北京では救援活動を継続している。ネット上では北京の高級ホテルが豪雨で流されたとの情報が伝わり、注目を集めている。澎湃新聞の取材に対し、悉曇酒店の従業員は『今のところ被害状況は調査中だが、人員を避難させ、営業を停止した』と回答した」と投稿した。

同投稿と共にアップした動画によると、ネット上では同ホテルの豪雨前後の画像がアップされ、豪雨前と比較すると施設の内部が泥まみれになっていたり、庭園の橋などが洪水で流され、一面水浸しになっているという。22年4月に試験的営業を開始した北京悉曇酒店は、一流のホテル、レストランで構成される世界的な非営利会員組織「ルレ・エ・シャトー（Relais & Châteaux）」に加盟している高級ホテルで、38室の客室と17個の庭園を有し、宿泊代は一泊1万元（約20万円）以上かかるという。ネットの口コミでは「北京の高級ホテルのトップに居座るだろう」と高く評価されていたが、オンラインでの宿泊予約は7月31日以降できなくなっていた。

この投稿に対し、他のネットユーザーからは「とても悲しい」「被害がなるべく大きくならないよう願う」「災害の後は修復に努力するしかない」「自然の力はこれほどにも強大なのか」「名前が名前だけに『曇花一現（中国語で物事や人物が一時的に現れて消えてしまうという意味）』のようで残念だ」などのコメントが寄せられている。（翻訳・編集/原邦之）