Record ASEAN 2023年8月11日(金) 10時0分
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香港メディアの香港01は10日、タイが最大の顧客である中国人観光客を失った背景について論じる記事を掲載した。
記事は、コロナが収束してから中国人観光客の「リベンジ的」な海外旅行が盛り上がり、その目的地としてタイが人気になったと説明。現地では中国からの観光客第一陣を副首相自ら出迎えるなど、大いに期待されたとした。
一方で、タイの観光・スポーツ省がこのほど発表した今年1~7月の訪タイ観光客では中国は2位にとどまったと説明した。同省によると、最も多かったのはマレーシア人で243万人。以下、中国(183万人)、韓国(90万人)、インド(88万人)、ロシア(85万人)の順だった。
コロナ前の2019年同時期にタイを訪れた中国人観光客は905万2000人で、今年はそのわずか2割にとどまった。19年通年では中国人1100万人がタイを訪れ、外国人観光客全体の4分の1を占め最多だった。今年の初めにはタイの政府関係者も、今年は700万~1000万人の中国人観光客がタイを訪れると期待を寄せていたが、実現は困難だ。
中国人観光客はなぜ減少したのか。記事によると、一部では中国の国際便がコロナ前と比較して十分に回復していないとの見方が出ている。中国民用航空局のデータによると、6月末時点で中国の国際旅客便は週3368便で、コロナ前の44%にとどまっている。
また、コストや安全面での問題が影響しているとの見方もある。航空便数が不足しているため航空券の価が上昇しており、今年8月のプーケット行きの便はコロナ前の3倍以上となっているほか、ビザも無料から有料になった。さらに、タイではホテル代を含め物価が高騰しているため、旅行全体のコストが以前より大幅に増えているという。
加えて、インターネット上ではタイでの臓器売買や誘拐事件がたびたび報じられたことに懸念を示す声や、アジアで初めて大麻が合法化されたことについても治安悪化を懸念する声が出ているという。(翻訳・編集/北田)
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