第1次世界大戦から100年、安倍首相への10の質問―中国メディア

Record China    2014年7月31日(木) 5時30分

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30日、今からちょうど100年前、人類は世界大戦の深淵へと滑り落ちていった。戦争はいかに終わったかを語るよりも、なぜ始まったかを語ることを忘れてはならない。写真は世界反ファシズム戦争ハイラール記念園。

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2014年7月30日、今からちょうど100年前、人類は世界大戦の深淵へと滑り落ちていった。戦争はいかに終わったかを語るよりも、なぜ始まったかを語ることを忘れてはならない。欧州はすでに和解を実現した。現在のアジアには欧州にまさる反省が迫られている。新華網が伝えた。

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日本の安倍首相は日中関係を第1次世界大戦前夜に例えたが、これは戦争を避けるためだという。侵略の歴史を謝罪することを拒んでいるのも友好のためだという。靖国神社の参拝も平和のため、集団的自衛権の解禁も安全のためらしい。理解に苦しむ、人を不安にさせる態度と言わざるを得ない。

先人による歴史の悲劇を防ぐことはできない。だが現代と後世のためには賢明な選択をしなければならない。平和を実現するためにも、私たちは安倍首相に次の10の質問をしたい。

▼歴史について

(1)首相は、「侵略」の定義は学術界でも世界でも定まっておらず、この問題に対する結論は視点によって異なると主張している。だが日本は第1次世界大戦後、青島を占領し、1931年には中国東北部に侵入した。1937年からは全面的に中国に侵入し、100万の兵力を中国に投入し、南京大虐殺だけで30万の中国人の命を奪った。どの角度から言えば、これが侵略戦争でないと言えるのか。

(2)1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受け入れた。ポツダム宣言は、「日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ヅルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレザルベカラズ」とし、「カイロ宣言」の条項を履行することを求めている。「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」は現在でも有効ではないのか。

(3)1972年の日中国交正常化において両国が発表した共同声明は、「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」と明記している。だが日本の検定済教科書においては、「慰安婦」や細菌戦、南京大虐殺などの史実についての記載が曖昧で、事実をねじ曲げた表現もある。このような「反省」は歴史に責任を負うものと言えるのか。

▼現在について

(4)1978年、東條英機ら14人の日本人A級戦犯が靖国神社に祀られた。日本の天皇はこれ以降、参拝を行っていない。だが首相は執拗に参拝を続け、政権の歩みを亡霊に「報告」した。安倍首相は、政治的個人の利益と人類の良知とのどちらに立つのか。靖国参拝で「英霊」に不戦を誓い、平和を願うよりも、世界の人々の前でこれを誓うべきではないのか。

(5)日本は絶えず「中国脅威論」をあおり、中国が「他国の領土を掠奪する」のを阻止すると公言している。隣国をこれほど大っぴらに攻撃するその態度には驚きを禁じ得ない。自らの歴史さえも精算できていない国が、中国に責任の負い方を語る資格があるのか。

(6)日本経済の長引く不景気は人々を心配させている。だが指導者たる安倍首相は、いわゆる「アベノミクス」の進展をはかることなく、政治的資本を極端な民族主義的事業に使い、軍拡や戦争準備を進め、平和の秩序に挑戦しようとしている。国内の支持率が下がっても、一向に心を動かそうとしない。歴史に「相似」を見る首相の作法に倣えば、この状況は第2次大戦前の日本と似ているのではないか。

(7)安倍首相は、日本の国際的な地位を高めるという志を持ち、世界中で演説して「地球儀外交」を展開し、「対中包囲網」の構築を画策し、アジアに新たなNATOのような同盟を作り出そうとしている。だが他国の安全を害することによって自国の安全を確保することが、日本が「正常な国家」になることを意味するのか。

▼未来について

(8)首相は最初の内閣で、「戦後レジームの脱却のためには憲法を改正しなければならない」と主張していた。第2次安倍内閣でも、憲法改正を生涯の政治的理想だと繰り返している。安倍首相は日本を軍事国家にするつもりなのか。日本自衛隊を真珠湾までパトロールに送るつもりなのか。

(9)日本は日米同盟の強化を求めている。だが日米両国はどんなに親しく見えても、どちらも自らの計算で動いており、互いの力を借りて自らの目的を果たそうとしているにすぎない。第1次大戦の勃発前にはすでに、日米間には中国権益をめぐって多くの矛盾があり、第2次大戦の極東地区の戦争の火種が形成された。第2次大戦後、日本は強国との同盟により、自らの野心と実力との溝を埋めてきたが、同床異夢の「同盟」はいつまで持つのか。

(10)日本には「二度あることは三度ある」ということわざがある。日本は第1次大戦の受益国であり、第2次大戦の発動国となった。第3次大戦を回避しようとする世界の努力において、日本はどのような位置に立とうとしているのか。

 「歴史は繰り返さないが、韻を踏むことがある」(マーク・トウェイン)。100年前の欧州の夏が、アジアで再現されることは避けなければならない。

中国は歴史を重しとするつもりはない。だが第1次大戦の「対華21カ条要求」の恥辱から「大東亜共栄圏」のスローガンの下での殺戮までの歴史を中国人が忘れることはない。歴史を振り返れば、「強い日本」を主張する安倍首相の夢を目前にして、中国さらに世界は警戒を緩めることはできない。

安倍首相は中国首脳との会談への希望をたびたび口にしている。だが会談よりもまず、これらの質問に答えるのが先ではないだろうか。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)

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