マンゴーの種までペットに?若者が「何でもペット化」するワケ―中国

人民網日本語版    2023年8月23日(水) 6時0分

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中国で最近、新しいタイプの「ペット」がネットで話題を集めている。

中国で最近、新しいタイプの「ペット」がネットで話題を集めている。マンゴーの種を乾燥させ、自分の好きなように加工して「ペット」に見立てたもので、中国語でマンゴーを表す「芒果(マングオ)」の「果(グオ)」の発音が犬という意味の「狗(ゴウ)」と発音が似ていることから、「芒狗(マンゴウ)」と呼ばれている。大勢の若者がSNSで「自分が育てているマンゴーの種」のエピソードを共有し、心を込めて種を「お世話」し、ブラッシングして着飾らせる人もいれば、毛がふかふかの手の込んだヘアピンやキーホルダーを作る人もいる。

果物の種を「ペット」にするということは、一体何を「飼っている」ことになるのか。福建省泉州市の邱さんによると、「最初は自分も理解できなかったけれど、実際に一度試してみると、『種のペット』にとても癒やされた。作った時は、果肉を全部食べきってしまわないように種回りを残し、残った繊維がきれいになるまで水で洗った。するとペットの毛のように繊維が透明になり、かわいらしくなった。同じような動作をずっと繰り返しているだけだけれど、毛がふさふさの『小さなペット』のようになり、心の底から癒やされる感覚を味わい、一種の満足感を得られた」という。

マンゴーの種を「ペット」にするプロセスは非常に簡単だが、その出来上がりは多種多様だ。カラフルに染めたものもあれば、デザインに工夫をこらしたものもある。前出の邱さんは、「私のマンゴーの種に名前もつけた。何か心に寄り添い、慰めてくれるものが必要だったからかもしれない。流行に乗りたかったということもあるし、同年代の人と共通の話題を持ちたかったということもある」と話す。

マンゴーの種にとどまらず、最近は紙の箱、石、ブラインドボックスが若者の「ペット」になり、「何でもペットになる時代」が大きなトレンドとなっている。

中国科学院大学の大学院生の趙さんは、「自分の昔に関わるいろいろなものを集めて、自分の暮らしに寄り添う存在として側に置いている。もしかしたら現在の若者は勉強や仕事でぶつかるいろいろなストレスが大きく、だからこそいろいろなものを『ペット』のように寄り添う存在として、自分の側に置いているのかもしれない。学生はほとんどが寮に住んでいるので、本物の生きた動物を飼うことは難しい。そこで『ペット』になるものを探し、自分の暮らしに寄り添う存在として大事にしているのだと思う」と説明した。

こうした新型「ペット」の人気に対し、ネットでは評価する声も批判する声も見られる。「若者の精神状態が心配になる。時間の浪費だ」とする人もいれば、「1つのライフスタイル」と考える人もいる。専門家は、「ペット自体はストレスを緩和する癒やし効果があり、こうした新型『ペット』には強い社交的性質も備わっている。従って、これは若者が選んだストレス緩和や友達との交流スタイルであり、過度にマイナスの見方をするべきではない」との見方を示す。

中国農業大学心理素質教育センターの施鋼(シー・ガン)センター長は、「若者の社交の多くはネットで行われているので、彼らは実際に人との間で心理的な交流や付き合いをすることが少ない。こうした『ペット』の流行はやはり孤独と好奇心によって生まれたものだと考える。手が出せる範囲で、コストが低く、自分を癒やすこともできる方法を見つけたのであれば、それに対しいろいろなマイナスの意味を付け加える必要はない」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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