Record China 2023年8月28日(月) 7時0分
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中国では「日本料理店」から日本の「料」が姿を消した。福島で処理水の海洋放出を受け、中国政府が日本からの水産物輸入を停止したからだ。写真は北京市内の日本料理店。
中国語の「料理」は「取り仕切る」の意だ。日本料理のことは本来なら「日本菜(リーベン・ツァイ)」という。しかし「日本料理」と書いてもかなり通じる。「材料(食材)を処理(調理)すること」と説明されれば納得できるからという。ところが中国では「日本料理店」から日本の「料」が姿を消した。福岡第一原子力発電所の処理水の海洋放出が24日に始まったことを受け、中国側が日本の海産物などの輸入を停止した影響だ。中国で猛烈な勢いで増えてきた日本料理店からの客離れはすでに始まっているという。
中国の日本料理店は24日、SNSなどで日本の水産品の使用を停止するなどと次々に表明した。中国メディアの中国新聞社によると、「日本の水産品は1カ月ほど前から仕入れられない状態になっていた」と説明した店もあった。日本の水産品が入手できなくなった店は、カナダ、ノルウェー、ロシアなどの水産品を使っていると説明した。ただし、マグロなどは日本から輸入したものより品質が劣ると指摘した店もあるという。
市場調査を手掛ける智研諮詢によると、中国には2022年時点で、日本料理店が前年比7.93%増の7万8900店舗あった。新型コロナウイルス感染症が発生する前の19年と比較しても約5000店舗の増加という。
日本料理店関係者からは、日本からの海産物輸入ができなくなる前から、日本料理店を利用する客は減り始めていた。ただし、福島で処理水の海洋放出が始まる直前には、高級店では客が増える現象も発生した。日本側が処理水放出を断念することはないと判断し、日本の食材の入手が困難になると判断し、「食べ納め」をしようと来店した一時的な現象と見られる。
また、事態の推移を見て別の料理を提供する店に「商売替え」をした店舗もある。しかし多くの店にとって変更は困難だ。今後は処理水の海洋放出に対する不安や日本に対する反発で、中国国内の日本料理店から客がさらに遠のく可能性もある。店側は「真夏に到来した厳寒期」を耐えるしかない状況だ。(翻訳・編集/如月隼人)
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