2023年8月30日、中国メディアの新浪新聞は、拾った金のブレスレットを捨てた男性に裁判所が落とし主への賠償を命じたと報じた。

記事によると、広西チワン族自治区南寧市で22年8月の夜に女性が金のブレスレットを誤って落とし、警察に届け出た。現場の監視カメラの映像から、ある男性がブレスレットを拾ったことが判明。警察の仲介により女性と男性の間で話し合いが持たれたものの、男性が「拾ったがすぐに捨てた」と所持していないことを主張して協議は決裂し、女性が男性に1万470元（約21万円）相当の金のブレスレットを返還するよう求める訴えを同自治区崇左市の裁判所に起こした。

審理の中で男性は「拾ったのは女性のブレスレットではなく、キーホルダー付きのキーチェーン。拾った後、明るい所で確認したら価値がなさそうなので捨てた。拾ったものがブレスレットだったことは証明できない」と主張した。

裁判所は、状況証拠などから当日夜に女性が落としたブレスレットを男性が拾ったと認定するとともに「男性がブレスレットの持ち主を探したり、公安機関に届け出たりすることなく持ち去って廃棄した行為には重大な過失があり、民事責任を負うべき」とし、男性に対してブレスレットの金額の80％に当たる8376元（約17万円）を女性に賠償するよう命じる1審判決を出した。男性はこれを不服として上訴したものの、2審も1審の判決を支持したため判決が確定した。

この件について中国のネットユーザーは「拾ったけど捨てたのに、責任を負わなきゃいけないの？」「落とし物を拾って届けなかったという証拠はあるけれど、それを捨てたという証拠はないからな」「判決は、被告がブレスレットを捨てておらず、拾ったブレスレットも本物の金だったという判断によるもの。80％の賠償になったのは、拾得に対する感謝料を差し引いたってことかな」「女性が本当に価値のないチェーンを故意に落として男性に拾わせ、それから正規品のブレスレットのレシートを持ち出して『不法占有された』と訴えたのでは？と思ってしまった」「これは新しい恐喝事件の手口ではないか」「その辺に落ちてるものを何でも拾っちゃいけないって教訓だな」といった感想を残している。（翻訳・編集/川尻）