X（旧ツイッター）に8月31日、中国の李克強前首相が甘粛省内の敦煌・莫高窟を見学する様子を紹介する動画が投稿された。李前首相は2023年3月の全国人民代表大会（全人代）で国務院総理（中国政府首相）を退任して以来、公の場に姿を現すことがなかった。

李前首相は石窟外壁のやや高い部分に設けられた通路を歩む。マスクは着用しておらず、また、元気そうだ。投稿された動画は李首相が通った通路の外側から、見上げる角度で撮影されている。周囲からは多くの人の歓声が聞こえ、「総理、こんにちは」という大きな声が何度も上がる。李前首相は笑顔で手を振って対応した。

中国共産党は5年に１度、全国代表大会（党大会）を開催している。参加する党員は「国家機関代表」「解放軍及び武装警察部隊代表」、さらに各省（中央直轄市と民族自治区を含む）の代表などの資格で参加する。一般党員よりも地位が高い党員も、各省の代表として参加することが一般的だ。李克強前首相は22年10月に開催された直近の党大会に、「甘粛省代表」として参加した。また、首相在任時の22年1月には、甘粛省を視察している。

現在のところ、李前首相の敦煌見学を紹介する中国の公式報道は見当たらない。（翻訳・編集/如月隼人）

李克强的出现引发了现场游客的欢呼 https://t.co/naaqiamgJx pic.twitter.com/vzH8MoD267

— 李老师不是你老师 (@whyyoutouzhele) August 31, 2023