中国の「一帯一路」はどう変わったのか―仏メディア

Record China    2023年9月7日(木) 8時0分

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4日、仏RFIの中国語版サイトは、開始から10年を迎えた中国の「一帯一路」が巨大なインフラプロジェクト主導から「小さくて美しい」プロジェクト主体へと変化しつつあると報じた。

2023年9月4日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、開始から10年を迎えた中国の「一帯一路」が巨大なインフラプロジェクト主導から「小さくて美しい」プロジェクト主体へと変化しつつあると報じた。

記事は、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が政権発足間もなかった2013年9月にカザフスタンのアスタナで「一帯一路」構想を発表、その内容は経済的にも政治・外交的にも野心的な戦略で、49年までに70カ国以上でコンソーシアムを形成するというものだったと紹介した。

そして、「一帯一路」がパートナー国における道路、鉄道、港湾の広大なネットワークの建設を通じて中央アジアを統合し、中国とヨーロッパを経済的に結ぶというインフラ戦略だったと指摘。資源へのアクセスを確保し、販路を作り、建設会社を立ち上げ、稼働させるという中国にとってこそ非常に大きなメリットを持つプロジェクトであるものの、習氏は「世紀のプロジェクト、世界の意思」として大々的に宣伝し、パートナー国を納得させるだけでなく、中国がゲームの中心となるグローバリゼーションの新たなビジョンを作り、それを正当化しようとしたと伝えた。

また、不干渉とウィンウィンを強調する「一帯一路」のストーリーには欧米による植民地的、帝国主義的な支配への対抗意識がにじみ出ているものの、その現状はパートナー国に対して内部的な犠牲を強いる結果になっていると指摘。指導部が「一帯一路」構想の成功を強調するのとは裏腹に、多くの貧しい国々が中国の多額債務者となっていることから、西側のメディアや専門家からは「債務外交」「債務のわな」「腐敗の輸出」「新植民地主義」などと評されていると紹介した。

記事は、「一帯一路」が10年の間に大きな挫折を次々経験し、その威力は大きく損なわれているとともに、中国自身も世界における威信の面でも経済の面でも大きな挫折を味わっていると指摘。その中で、日本のメディアが中国の「一帯一路」関連の海外投資構造に異変が生じつつあり、大規模なインフラプロジェクトが減っていると報じたことを紹介した。そして、中国共産党の公式メディア・人民日報も先月、「一帯一路」では農業、医療、貧困緩和などといった「小さいながらも美しいプロジェクト」が進んでいるとする評論記事を掲載し、国務院新聞弁公室も「小さいながらも美しいプロジェクト」がデジタル、医療、環境保護などの分野で日増しに浸透しているとの見解を示したことを伝えた。

その上で、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが「一帯一路」について、この10年でより多くの国を中国側に引き込むことに成功したことから中国が「一帯一路」を完全に撤回する可能性は低いとする一方で、中国がパートナー国への融資をより慎重なアプローチに切り替えた場合、一部の国にとっては魅力が低下する可能性があると論じたことを紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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