日本でも存在感の中国発ECアプリ、価格とリスクどちらを取るか―独メディア

Record China    2023年9月8日(金) 8時0分

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独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは5日、日本でも存在感を示す中国発の越境電子商取引アプリ「Temu」について、「価格とリスクのどちらを取るか」との記事を掲載した。

独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは5日、日本でも存在感を示す中国発の越境電子商取引(EC)アプリ「Temu」について、「価格とリスクのどちらを取るか」との記事を掲載した。

記事はまず、2023年のアメリカンフットボール・スーパーボウルでTemuが打った広告に米国の多くのアメフトファンが好奇心を抱いただろうと述べ、「億万長者のような買い物」という宣伝文句をその理由として挙げた。

中国・PDDホールディングスによるTemuは米国で22年9月にサービスを開始して以来、急成長を続け、コンサルティング会社GWS Magnifyによると23年7月時点のアクティブユーザー数は年初の2倍強の7730万人に達した。さらに重要なのはユーザーのエンゲージメントの高さで、米国のユーザーが毎日Temuに費やす時間はAmazonやSheinを10分近く上回るという。

記事は、「一見、多くはなさそうだが、こうしたエンゲージメントはTemuが強力な競争相手になる可能性を示している」とのGWSの見方を伝え、すでに日本、欧州、オーストラリアを含む39カ国・地域にTemuが進出していることを説明。また、Temuは価格の安さで消費者を引き付けていると述べ、これについて小売業界のアナリストが「インフレと高コストが消費者に衝撃を与える中、Temuは一つの新たな選択肢。Temuはこれまでの欧米の小売業界に存在しなかった低価格、豊富な種類を提供している」と指摘したことを紹介した。

だが、記事はその一方で「Temuの成功は環境保護活動家の批判を招いた」とし、大量の格安商品の取り扱いを挙げて世界各地に向けた小包の発送が地球の二酸化炭素排出を増加させると言及。さらに、「米国に発送される、価値800ドル(約12万円)以下の小包のほとんどに関税がかからない」と述べ、「ある企業がシャツ1万枚を箱で買えば関税がかかるが、1万枚全部を個別に発送したら税金はかからないということだ」と説明した。こうした発送方式で21年に失われた関税は100億ドル(約1兆4800億円)に達すると見積もられているという。

記事はまた、米政府のタカ派が最も懸念しているのはサイバーセキュリティーとユーザーデータだと述べて、「米中関係は低迷期にあり、米当局者はTemuやShein、TikTokなどが消費者データを盗み取ることに不満を抱いている」「中国の技術は欧米の多くのインフラプロジェクトで阻まれた」と伝えた。そして最後に「各国が中国の技術への依存を懸念すると同時に、消費者は(中国のサービスや商品に)殺到している」とし、前述のアナリストが「多くの状況下で、目の前の価格の安さはプライバシー、環境保護などの抽象的な概念を圧倒する」と語ったことを紹介した。(翻訳・編集/野谷

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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