2023年9月11日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国で人気のライブコマース放送者の発言がネットユーザーから激しい批判を浴びて謝罪に追いやられたと報じた。

記事は、「口紅兄さん」として知られる中国の著名ライブコマース放送者の李佳［王奇］（リー・ジアチー）氏が10日に中国国産美容ブランド「華西子」の商品を扱っていたところ、あるネットユーザーが「アイブロウペンシルが1本79元もする。どんどん高くなっているじゃないか」と苦情のコメントを残したと紹介。すると李氏は「どこが高いんだ？国産ブランドは手が出ないなどというざれ言は寝てから言ってくれ。何年も給料が上がらないのは真面目に仕事してないからじゃないのか？」と反論し、この発言がネットユーザーから広く不興を買ったと伝えた。

そして、ネットユーザーから「長い間事業主をやって労働者の苦しみを忘れたか」「一般庶民から金銭を稼いだ挙げ句、最後は庶民を貧乏だと馬鹿にするのか」「どれだけの庶民の少女があんたの商売に貢献してきたと思っているのか」「まあ1年で18億元も稼ぐヤツには、私たち庶民の賃金が上がらない理由を理解できないだろうよ」といった批判コメントが寄せられたと紹介した。

また、一部のユーザーからは経済成長の低迷と若者の失業率の高さが今回の「炎上」を引き起こしたとの分析も出ており、「彼が特に悪いとは思わないが、鈍感だった」「昔は頑張れば報われ、お金を稼ぐことができたのは事実だが、今は環境が変わり、誰もが公務員試験を受けるのに必死だ。若者が寝そべっているのは、頑張りたくない、お金を稼ぎたくないからではなく、チャンスがないからだ」との書き込みも見られたと伝えている。

記事は、激しい批判を浴びた李氏が「皆さんの仕事がとても大変であることを深く理解した。ネットユーザーを失望させるようなことを言ってしまい、本当に申し訳なく思っている」と謝罪したものの、ネットユーザーの怒りは収まっていないと紹介。11日午後までの約1日で李氏の微博アカウントのフォロワー数が66万人以上減ったとした。（翻訳・編集/川尻）