Record China 2023年9月19日(火) 6時30分
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16日、中国メディアの時代財経は東京電力福島第1原発の処理水海洋放出により山東省の港町が大きな影響を受けているとする記事を掲載した。写真は山東省の乳山。
2023年9月16日、中国メディアの時代財経は東京電力福島第1原発の処理水海洋放出により山東省の港町が大きな影響を受けているとする記事を掲載した。
記事は、8月24日に始まった同原発の処理水海洋放出の第1次放出作業が9月11日に終了し、7788トンの処理水が太平洋に排出されたと紹介。「その影響の矢面に立つのは、『海を頼りに飯を食う』人々だ」とした。
そして、北緯35度以北の黄海と渤海海域では9月1日に4カ月の禁漁期間が終わって漁船が一斉に漁に出始めており、山東省の膠東半島にある威海市乳山口漁港では主に日帰りから1週間程度の近海漁業でサワラ、タチウオ、キグチ、エビ、シャコ、カニ、サザエなどを獲物にしているとした上で、現地の漁業関係者が「来年には処理水が海域に流れ込んで魚やエビの生育に影響を及ぼし、漁獲量が減るのではないか」と憂慮していると伝えた。
また、来年の漁獲量が予測できないことに対する憂慮に加え、今年の漁獲物の価格により直接的な影響が出ていると指摘。エビのほかにもアナゴを漁獲して主に日本に輸出しているという現地の漁業関係者が「仲買業者によるとアナゴの輸出需要が減少しているため、価格は下がる一方だ。以前は1尾15元(約300円)か16元(約320円)、いい時は20元(約400円)で売れたのに、今は1尾4元(約80円)か5元(約100円)でしか引き取ってもらえなくなった」と語ったことを紹介した。
さらに、憂慮は水産業チェーンの下流にも広がっており、数百の露店が並ぶ乳山の海鮮市場では9日夕方、本来であれば禁漁解除後の書き入れ時であるにもかかわらず場内が閑散としていたと紹介。ある露店主が「今日はましな方。ここ数日は誰にも会わないことも多かった。今年の来客は多くて例年の3分の1程度。海洋放出が始まってから多くの人が海産物を買いたがらなくなった。新型コロナの時よりも客が少ない」と嘆いたことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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