日本のメディアが中国の国慶節連休の北京発東京行きの便がほぼ満席と報じたことが、中国のSNS・微博（ウェイボー）で紹介され反響を呼んでいる。

28日、FNNニュースは中国の建国記念日に当たる「国慶節」の大型連休が29日から始まるが、福島第一原発の処理水放出の影響が懸念される中、北京発東京行きの便はほぼ満席になっていると報道。北京首都国際空港の羽田行きの出発カウンターには中国人旅行客による長蛇の列ができているとし、航空関係者の話として「9月27～30日の北京発東京行きの便はほぼ満席状態」と伝えた。

中国のSNS・微博（ウェイボー）の在日中国人ブロガーがこの情報を紹介すると、フォロワーからは「SNSのグループでも日本に行くという人が少なくない。ついこの前まで核廃水（処理水）で騒いでたのに」「円安だからね」「フェイクだろ。ツアーはキャンセルが相次いでると聞いたぞ」「（日本に行くのは）主に個人旅行の客でしょ」「便数がまだ少ないから。東京行きはほぼ毎日満席だよ」「日本から帰ってきたばかりだけど、中国人観光客は少なかった。（主に香港人などが話す）広東語は多く聞こえたけど」といったコメントが寄せられた。

また、「私は国内でゴロゴロしているよ」「国慶節はパス。紅葉の時期に行こうと思っている」「行きたいけど航空券の値段が高くて行けない（泣）」「国慶節連休は航空券が高すぎる。熱が冷めてから行くよ」「上海から高松に行くチケットはいつ安くなるかな」といったコメントも投稿されている。

中国のメディアでは日本行きのツアー客のキャンセルが大々的に報じられているが、観光庁の高橋一郎長官は27日の会見で、東京電力福島第一原発の処理水海洋放出の中国人訪日客への影響は「現時点では限定的」との認識を示した。業界関係者によると、日本行きのキャンセルは一定程度発生しているものの日中間の航空便数の回復が鈍く、満席でも訪日中国人の数自体は大きく伸びない見通しだという。（翻訳・編集/北田）