「台湾」か「中華民国」か……若者たちの認識―独メディア

Record China    2023年10月10日(火) 18時0分

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9日、独ドイチェ・ヴェレは、10月10日の「双十節」に際し、台湾の若者が「中華民国」と「台湾」の呼称や中国本土との関係についてどう考えているかを紹介する記事を掲載した。写真は台湾の中正記念堂。

2023年10月9日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは10月10日の「双十節」に際し、台湾の若者が「中華民国」と「台湾」の呼称や中国本土との関係についてどう考えているかを紹介する記事を掲載した。

記事は、中華民国建国112周年の「双十節」を前に、台湾の馬英九(マー・インジウ)前総統は2日にSNS上で、蔡英文(ツァイ・インウエン)政権が「双十節」の英語表記を「Taiwan National Day」に変更したことが「まぎれもない台湾独立」と批判した上で、台湾政府が主催するセレモニーへの出席を拒否する意向を示したことを紹介。そして、政治的スタンスの異なる3人の若い台湾人に対し、「双十節」に対する理解、軍事的緊張や中台関係の方向性についてインタビューを行った。

まず、世新大学4年生で民進党の選挙キャンペーンに参加した22歳の王(ワン)さんは「馬氏のやり方は選挙向けのアクションであり、その考え方は理解できない。ほとんどの台湾人は中華民国よりも『台湾』という名前に思い入れがある」と語るとともに、台湾の若い世代にとって「双十節」は建国記念日という意味合いよりも「祝日」であることに意味を感じているとの認識を示したという。

次に、中興大学の大学院生で国民党青年団に参加している22歳の葉(イエ)さんは「台湾人は中華民国という国名にそれほど深い愛着を持っていないと思うけれど、中華民国の国旗が掲げられているのを見ると、やはり感動する。馬氏はいわゆる『中華民国』派だから、国名がないがしろにされるのを嫌うのだろう。自分も同じ立場なら、馬氏と同じ選択をしただろう」と語るとともに、任期中最後となる今年の「双十節」は蔡総統にとって大きな意味を持ち、任期が残り少なくなったところで「台湾建国記念日」と名乗ることを以前より画策してきたのではないかとの考えを示した。

さらに、現在23歳で台湾陸軍の特殊作戦部隊を退役した蔡(ツァイ)さんは、台湾市民に中国本土に対する警戒を促したいと考えており「国慶節において民主主義の価値を見失ってはならないし、中国の軍事攻撃に影響されてはならない。軍事問題が緊迫化する中、国慶節を通じて台湾の各界各層のわが国に対する自信を強めたい」と述べた。

記事はまた、3人の若者が台湾の現状と中国本土との関係について、それぞれ異なる見解を持っているとも指摘。王さんは「中国がミサイルを試射し、軍用機が台湾を旋回していることを話題にしても友達が別段驚かないことにショックを受けた。台湾の若者は中台の緊張を既成事実と捉えている」と語り、台湾の将来については楽観的な見方をしつつも「台湾は中国に支配される受動的な当事者になるかもしれない」との懸念も抱いているとした。

一方、蔡さんが「今の若者は民主、自由、平和を当然視しつつ、中国の軍用機も来るなら来ればいいと思っている。中台関係の現状に無関心で、戦争が起きれば自分の命と安全と引き換えに降伏すればいいと思っている人さえいる。しかしこれは自分たちが望む平和ではない」と語り、戦争勃発のきっかけになるような誤解を避けるための両者の意思疎通チャンネルを持つべきだとしつつ「中国の機嫌を取ることには賛成しない」としたことを伝えている。

そして、中国が台湾を抑止するために軍事力を行使することに対して、葉さんが「台湾はもちろん適切に抗議すべきだが、民進党は中国の軍事力による威嚇に対抗するために大声を出すだけ。それでは問題は解決しない」と主張、中国との意思疎通はしっかりすべきであるとの認識を示すとともに、「個人的な交流や訪中の経験から、中国側は中華民国という呼称に同意しないかもしれないが、台湾側がこの言葉を口にすること自体は問題ないように感じている」と語ったことを紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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