在中国イスラエル大使館のSNSコメント欄が閉鎖に、ハマス攻撃を非難に反発相次ぐ―米誌

Record China    2023年10月13日(金) 21時0分

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ハマスによるイスラエルへの大規模な攻撃で、在中イスラエル大使館のSNSコメント欄が閉鎖に追い込まれた。攻撃を非難する投稿に中国人ネット民が反発したためだ。写真は在中国イスラエル大使館ウェイボより。

パレスチナ自治区ガザ地区を実行支配するイスラム武装勢力ハマスによるイスラエルへの大規模な攻撃で、在中国イスラエル大使館の公式SNSのコメント欄が事実上、閉鎖に追い込まれた、と米誌が報じた。ハマスのイスラエル攻撃を非難する投稿をしたところ、中国人ネット民から反発が相次いだためだ。

イスラエルに対するハマスの奇襲攻撃が始まったのは7日。ハマスは数千発のロケット弾をエルサレムなどに発射する一方、境界のフェンスを破ってイスラエル側に多数の戦闘員が侵入した。

米誌ニューズウィークによると、ハマスの戦闘員はこの日、多くの若者を集めて行われていた音楽フェスを襲撃し、260人以上を殺害、100人以上の参加者を拉致した。ある動画ではフェス参加者の1人(25歳のノア・アルガマニさんと判明)が、ボーイフレンドから引き離されてバイクの後ろに無理やり乗せられる様子が捉えられていた。

北京のイスラエル大使館はこうした蛮行を非難し、犠牲者との連帯を示す投稿を中国版X「微博(ウェイボー)」に行った。アルガマニさんの動画もシェアし、この女性は中国とイスラエルの血を引いているとコメント。「彼女は娘であり、姉妹であり、友人だ」と説明した。

これに対し、中国ネット民の反応は予想外のものだった。犠牲者に哀悼の意を示す者もいたが、冷淡な意見や、あからさまに憎悪をぶつける者もいた。「ウクライナ人を支持するなら、パレスチナ人のことも支持するべきだ」「ユダヤのナチたちはパレスチナ人を毎日虐殺している。さあ行け、ハマス、同胞たちよ、ユダヤのナチどもを国のために殺せ」などの書き込みも寄せられた。

別の中国人はイスラエルが攻撃を受けたのは当然の報いだと指摘した。2006年、レバノンのシーア派武装組織ヒズボラとイスラエルが戦っていたとき、国連レバノン暫定駐留軍に参加していた中国人の杜照宇さんが誤爆を受けて死亡した件について、イスラエルがまだ謝罪していないからだという。

イスラエル大使館は公式微博アカウントへの新規コメントは止めたままだ。既存のコメントについては、イスラエルの立場を支持する一握りのコメントだけを掲載している。

テルアビブ大学付属安全保障研究所(INSS)の研究者、トゥヴィア・ゲリング氏は「ユダヤ人による影の組織が西側諸国の政府を牛耳っている」という古くさい反ユダヤ的言説が中国のネット民の間で今さらに勢いを持ちつつある」と指摘。「背景には中国におけるナショナリズムの高揚と米国との地政学的な競争が影響している」との見方を示した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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