Record China 2023年10月23日(月) 20時0分
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台湾の国内観光は宿泊費が高い上につまらないなど不満の声が上がっている。専門家は交通の不便さ、代わり映えしない観光地などを要因に挙げた。
台湾の国内観光は宿泊費が高い上につまらない。このような不満の声が上がっていると地元メディアが報じた。専門家は日本がコロナ禍で観光をさらに進化させた一方で、台湾の観光は足踏み状態だとして(1)交通の不便さ(2)代わり映えしない観光地(3)長期目線の欠如(4)人手不足―を要因に挙げた。
台湾中央通信社によると、静宜大学観光事業学科の黄正聰副教授(准教授)は、個人旅行の割合が高まる中、交通の利便性が高いのは台北地域のみで、中部や南部は個人旅行の難易度が高いと指摘する。台湾高速鉄道(高鉄=新幹線)や台湾鉄路管理局(台鉄)の駅や高速バスのターミナルもそれぞれ独立しているため、交通の集約においても日本とは落差があると問題点を列挙した。
インターネット上では「北から南まで、台湾の老街(古い町並み)や夜市はどこでも同じものを売っている」との声も聞かれる。与党・民進党の林俊憲立法委員(国会議員)はかつて「台湾の観光スポットにはスカイウオーク(つり橋、空中展望台)かアート村しかない」と苦言を呈した。
林氏によれば、2015年から18年ごろまでのわずか3年間に、台湾には新たに80カ所のアート村と13基のスカイウオークが建設された。各地の観光地の類似性の高さから、台湾の観光業にはハード面を整備する予算はあっても、包括的な計画やソフト面における価値の付与が欠如していることがうかがえる。
匿名の地方政府職員は台湾の一部の観光業者や店舗は短期目線での利益にばかり目を向け、長期目線での投資や経営をしたがらないと明かす。建設計画によって商売に一時的な影響が出ることも嫌がるため、フレンドリーな観光に向けた交通インフラの建設の推進は容易ではなく、台湾観光の進化において障壁となっている。
不動産サービス大手、コリアーズ台湾(高力国際)の董事(役員)の一人である黄舒衛氏は台湾の観光産業が参考にしうるビジネスモデルとして、日本の鉄道会社を例に出す。日本の多くの鉄道会社が不動産事業も同時に手掛け、ホテルや百貨店の開発を一体的に行っていることに触れ、良好な立地を確保できるだけでなく、コストの削減にもつながっていると、そのメリットを説明した。
人手不足をめぐっては最近、台湾のインターネット掲示板で一部のホテルが「チェックインを午後5時、チェックアウトを翌日午前11時」としていることに不満を漏らす投稿があり、物議を醸した。この背景には深刻な人手不足がある。
ホテル大手、シルクス・ホテル・グループ(晶華国際酒店集団)の潘思亮董事長(会長)は「予約はいっぱいなのに人手が足りない」と嘆息。外国人人材の受け入れ加速を望む考えを示し、「政府は日本のやり方を参考にできるのではないか」と呼び掛けた。(編集/日向)
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