シャオミが再びOSを独自開発、ファーウェイなど中国企業の狙いとは

Record China    2023年10月24日(火) 8時30分

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シャオミの雷軍CEOはこのほど、新たな自主開発OSの「シャオミハイパーOS」を発表した。ファーウェイやvivoもOSの自主開発に力を入れている。これらの中国企業の狙いは何なのか。

スマートフォンの製造販売で知られる小米集団(シャオミ)の創業者である雷軍(レイ・ジュン)最高経営責任者(CEO)はこのほど、SNSを通じて新たに開発したOSの「シャオミハイパーOS(Xiaomi HyperOS、小米澎湃OS)」を搭載したスマートフォンの製造を開始したと発表した。中国では華為技術(ファーウェイ)もハーモニーOS(HarmonyOS、鴻蒙OS)を開発と改良を続けている。また、同じくスマートフォンなどを手掛ける中国企業であるビーボ(vivo、維沃移動通信)11月1日に自社開発のオリジンOS4(OriginOS)を発表するとされる。中国企業がOSの自社開発に力を入れる狙いは何なのか。

シャオミの場合、会社設立当初からスマートフォン本体でなく、OSの開発に力を入れた経緯がある。同社設立は2010年4月で、最初のOSであるMUJI1をリリースしたのは同年8月だった。MUJIシリーズは現在までMUJI14までがリリースされている。シャオミハイパーOSは、MUJIの後継OSだ。現在のところシャオミハイパーOSが搭載されるのは「シャオミ14」シリーズだが、今後は順次シャオミハイパーOSに入れ替えていく。

雷軍CEOは「シャオミハイパーOS」を発表するに当たって「歴史的瞬間」と表現した。雷軍CEOはまた、同OSが人、クルマ、家をめぐるエコシステム全体のシームレス化に重要な役割を果たすとも述べた。

ファーウェイの場合、ハーモニーOSの研究開発を本格化させた2016年の時点で、「もう1つのアンドロイドやiOSを作るつもりはない。それには価値はない」との意識が明確だった。ハーモニーOSの特徴の一つは、開発の初期からIoTやコネクテッドカーなどを含めて「すべてをつなぐ」ことを強く意識している点にあるとされる。シンガポールに本社を置きハイテク関連の市場調査を手掛けるカナリスで研究アナリストを務める鐘暁磊(ジョン・シャオレイ)氏は、「携帯電話メーカーが自社でOSを研究しているのは、主に設備間のエココネクティビティを強化しようとしているからだ」と指摘した。

消費者はとかく、通信機器としてスマートフォンやスマートウオッチなど個人向け商品に関心を持ちがちだが、通信関連業界では、コネクテッドカーやスマート港湾、スマート農業などの事業の重要性がより高まりつつある。ファーウェイの場合には、炭鉱など鉱山事業のスマート化にも力を入れている。

これらB2B分野の通信関連の機器やソリューションでは契約1件当たりで巨額の資金が動き、また行政も乗り出して産業の加速を後押しする場合が珍しくない。中国の場合、B2B分野でも自国内に巨大な市場がある。また、ファーウェイの現状のように米国などによる制裁の対象になるリスクはあるが、開発途上国などの市場は大きい。

スマートフォンのような「これまでは全くなかった」という性質を持つ消費者向け商品は、発売当初は爆発的に成長するが、普及率が一定の割合になると販売増が困難になる傾向が強い。中国の場合、22年にはスマートフォン全体の出荷量が19年比で23%減だった。中国の通信機器主要メーカーは、「スマートフォンは花形商品と言えなくなる」を前提に、次の段階により大きなシェアを獲得することを目指してビジネスを進めていると言ってよい。(翻訳・編集/如月隼人


※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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