Record China 2023年11月5日(日) 11時0分
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3日、澎湃新聞は、中国で犬をはじめとするペットの遺棄が後を絶たず、野良犬が市民を負傷させるなど問題が深刻化していることを報じた。
2023年11月3日、中国メディアの澎湃新聞は、中国で犬をはじめとするペットの遺棄が後を絶たず、野良犬が市民を負傷させるなど問題が深刻化していることを報じた。
記事は、中国でここ数年さまざまな理由により飼い犬を捨てる飼い主が後を絶たず、野良犬が急増して「野良2世、3世」もどんどん発生していると紹介。「2021年中国ペット産業白書」によると、中国の野良犬は4000万頭に達しているとし、野良犬が市民にかみ付いて負傷させる事件もしばしば起きていると伝えた。
そして、ペットを捨てる理由は経済力の限界、手に負えなくなる、家族に反対されるなど実にさまざまであり、責任感もなくペットを飼う人が多く、科学的な知識や長期的な計画がないため、予期せぬ事態に遭遇すると簡単にペットを手放してしまうと指摘。さらに、ペットの繁殖市場もまたペット遺棄増加の一因を担っており、一部のブリーダーが値打ちのある種ばかりを選り好みし、平凡な品種や病気の個体を遺棄しているとも紹介した。
また、急増する遺棄ペットを前に保護施設は支援したくても力が及ばない状況だと伝え、無給で奉仕するボランティアのストレスが増大し、物資不足に苦しむ状況が常に発生しているとした。
その上で、上海市が2020年にペット犬の遺棄に対する罰則を設けるなど、中国国内では一部の地方でペット遺棄を禁止する条例を定める動きが出ていると紹介する一方、専門家からは「ルールを設けても当局が取り締まりに力を入れない。基本的に受動的な法執行であり、苦情が入らなければ処罰に向けた動きを見せない」との指摘が出ていることを伝えた。また、国レベルでのペット遺棄禁止に関する法律がないことも問題で、行政拘留、罰金、さらには刑事罰などの罰則を盛り込んだ法律や「動物遺棄罪」の創設を検討すべきとの提案も見られると紹介した。
このほか、業界関係者からはペットへのマイクロチップ埋め込みを義務化するなど技術的な手段で遺棄問題を解決できるとの声が出ている一方で、すでに中国の一部地域でマイクロチップの埋め込み制度が導入されているものの遺棄を食い止めるに至っておらず、「結局は人による監視が必要だ」との意見もあるとした。
記事は、中南経済法科大学法学院の教授が「草の根の市民による自主管理、自主教育、自主サービス、自主監督といった自治機能を十分に発揮させ、隣人同士が互いに監督し合うことこそ、有効な解決方法。政府の関係部門はコミュニティーによる自治を奨励すべき」と提言したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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