2023年11月8日、仏国際放送局RFI（ラジオ・フランス・アンテルナショナル）の中国語版サイトは、中国が電気自動車（EV）の完全なエコシステムを構築し、世界最大の自動車輸出国に躍り出たとする記事を掲載した。

記事は、中国の10月の乗用車販売台数が前年同月比10．2％増の203万台となったと紹介。中でもEVメーカーの成長が目立ち、BYDは月販30万台を突破、理想の月販4万台を初めて超え、小鵬も初めて月販2万台を突破した。また、8月には狭義の乗用車（セダン、SUV、MPVを含む）の月販数192万台のうち4割に迫る55.1万台がEVの販売だったしたほか、10月のEV販売台数も同27．5％の91万9000台で、自動車販売台数全体の45％を占めたと伝えた。

さらに、中国の自動車産業は国内販売だけでなく輸出も急成長しており、中国の税関データによると今年1〜6月に中国が初めて日本を抜き、世界最大の自動車輸出国になったと紹介している。

その上で「最も重要なのは、中国政府が電気自動車市場を飛躍的に発展させるため、自動車購入に対する補助金を実施したことだ」と指摘。欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長が9月13日に「中国政府がが自国の自動車産業界に提供している補助金について大規模な調査を開始」すると発表するとともに、「巨額の公的補助金によって価格が人為的に低く設定された安価な中国製電気自動車が今、世界市場に氾濫している」と述べたことを紹介し、 調査の結果欧州委員会がルール違反を認定した場合、中国車に懲罰的関税を課し、これに中国と欧州の間で貿易戦争が起こる可能性もあると伝えた。

記事は「多くの専門家が、中国は電気自動車の完全なエコシステムの構築において、2～3年先を行っていると考えている」とし、フォルクスワーゲンの幹部が「欧州はビジネス、研究、原材料、中間製品を統合する全体的なアプローチが実現されておらず、構築に向けた行動に出なければならない」と危機感を示したことを伝えた。（翻訳・編集/川尻）