CRI online 2023年11月24日(金) 13時50分
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今年で10周年を迎える「一帯一路」共同建設イニシアチブにちなんで、国際物流の面から「一帯一路」の現状と未来を展望するオンライン講演会が22日に開かれました。
講師を務める中国物流研究会幹事で、日本海事センター客員研究員の福山秀夫氏は、コロナ禍による物流の混乱を経験した教訓を生かし、域内で「東アジア複合輸送共同体」の形成に向けて努力すべき、そのために「一帯一路」と国際定期貨物列車の「中欧班列」が果たせる役割が大きいと評価しました。
福山氏は講演会の冒頭で、「一帯一路」10周年にちなんだ日本メディアの関連報道は、「『一帯一路』の一部分を切り取った、非常にネガティブな発言が多かった」ことに触れ、自身がこれまでの10年間研究し続けてきた「一帯一路」とは「異なっている」と指摘しました。
福山氏は「一帯一路」共同建設は世界総人口の63%を占める約44億人を対象とし、経済規模では世界全体の29%を占める238兆ドルに上る枠組みで、その目指すところは「東アジア・欧州の二大経済圏をつなぐ陸上・海上の大通路建設」だと指摘しました。
その上で、「一帯一路」はこれまでの10年、「グローバルなコンテナリゼーションの発展」、「ユーラシア大陸横断鉄道コンテナ輸送のグレードアップ」「国際複合輸送上の新しいサプライチェーンの構築」「東アジアの巨大な国際物流ネットワークインフラの形成」という4つの面で地域に貢献したと評価しました。
とりわけ、国際定期貨物列車「中欧班列」はコロナ前の2019年には運航便数が8225便、輸送コンテナ数は72万5000TEUでしたが、2022年には1万6562便、161万4000TEUにまで増え、今年は180万TEUを超える見込みで、「とどまるところを知らない勢い」だと表現し、日本企業の物流の効率化にも貢献している事例を紹介しました。
福山氏はさらに、「少なくとも『一帯一路』は軍事戦略でも政治戦略でもなく、国際物流を基軸として港湾・鉄道の開発を行い、経済援助をしていこうという話だ」と指摘しました。その上で、中国は支援先の国で港湾建設を行うことにより「債務のわな」をもたらしたという指摘については、「ビジネス活動なので、わな仕掛けて作ったわけではなく、海運のビジネスに必要だから港湾を作ったのだということをきちんと認識しないと見誤る」と訴えました。
福山氏は「コロナのような感染症は、またいずれ必ず来る。物流の混乱を防ぐためには、今から努力することが必要だ。そのために中欧班列、『一帯一路』は役に立つ。この点、メディアはきちんと押さえなければいけないと私は考えている」とも指摘しました。
なお、福山氏の発言は神奈川県日中友好協会経済文化交流部会が主催した第37回日中民間交流対話講座での講演で述べられたものです。同講座はコロナ禍の中、それまでは毎月オフラインで実施されてきた「日中経済文化講座」を土台に立ち上げられたオンライン交流会です。(提供/CRI)
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