2023年11月24日、環球時報は、「中国経済が引き続き成長するこれだけの理由」と題した香港メディアの評論文章を紹介する記事を掲載した。

記事は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの22日付文章を引用。世界140余りの国・地域にとって主要な貿易パートナーである中国の経済成長は中国自身のみならず、世界の他地域にでもとても重要であり、今年は中国による世界経済成長貢献率が35％前後に達する見込みだとした上で「幾多の試練に直面するものの、中国は成長目標を実現するだろう」との見方を示した。

そして、中国経済が成長を続ける理由として、他国と異なり中国が深刻なインフレ局面になく、現在の金融機関の預金準備率が7．5％と先進国の0〜1％に比べてはるかに高いため、金融緩和政策を実施する余地が大いに残されている点を挙げた。

また、中国経済の足を引っ張っていると見られてきた不動産業の低迷が改善の兆しを見せ始めている上、グリーン経済やデジタル経済が中国経済の新たなけん引役になりつつあるとも指摘。昨年のグリーン経済、デジタル経済の国内総生産（GDP）貢献率は4．7％に達し、太陽光や風力の発電設備、民間用ドローン、携帯電話、高速鉄道、リチウムイオン電池、ロボットなどで高い技術力と世界市場シェアを持っているとした。

さらに、勃発してすでに久しい米中貿易戦争も米中両国の貿易増の勢いを止められず、昨年の両国間におけるモノの貿易額は約7000億ドルに達したほか、第三国を通じた間接的な米中貿易額も急増していると紹介。米国によるハイテク分野の対中規制も長い目で見れば中国の自前の技術開発を加速させることになり、半導体や量子コンピューティングなどで次々とブレークスルーを実現すると論じた。

文章はその上で「中国は協力な技術と製造業の基盤、膨大な人材バンク、巨大な市場を持っている。いくつかの試練に直面するものの、基本的な経済が安定しており、十分な政策空間を持っていることから、予見可能な将来において、中国経済は引き続き成長するだろう」と結んでいる。（翻訳・編集/川尻）