日米中は「パンダ外交」を温め直すのか―仏メディア

Record China    2023年12月1日(金) 8時0分

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29日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは「日本、米国、中国はパンダ外交を再び盛り上げようとしているのか」と題した評論記事を掲載した。写真はジャイアントパンダ。

2023年11月29日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは「日本、米国、中国はパンダ外交を再び盛り上げようとしているのか」と題した評論記事を掲載した。

記事は、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が11月15日に米サンフランシスコで開かれた米国内団体共催の歓迎晩餐会で演説した際、ワシントン国立動物園のジャイアントパンダ3頭が先日中国に戻ったことについて「ジャイアントパンダは中米両国民の友好の使者である。保護について引き続き米国と協力し続けたい」と語ったことを紹介。この発言が「中国は新たなパンダを米国に送り込む可能性がある」ことを示唆したものと見られていると伝えた。

また、中国を訪問した公明党山口那津男代表が22日に北京で中国共産党中央弁公庁の蔡奇(ツァイ・チー)主任と会談した際に、パンダのレンタルを希望するという仙台市長からの直筆の手紙を手渡したとも伝え、日本国内では同市以外にも日立市、秋田市、神戸市など多くの都市がパンダの貸与を希望していると紹介した。

その上で「国家間の関係を改善する手段としてかつての『パンダ外交』を見直すのは良い考えかもしれない」としつつ、今から51年前の1972年に中国が米国と日本にパンダを送った状況と比較すると、国際環境は大きく変化しているとも指摘。当時の日米両国が中国に接近したのは、経済的にも軍事的にも巨大な脅威であったソ連に対抗するためであり、中国もまた当時ソ連が中国にとって最大の脅威であったため、米国と日本に接近したい思惑があったのに対し、今や日米と中国がそれぞれお互いを最大の脅威と認識するとともに、ソ連を引き継いだロシアはもはや中国にとって脅威ではなく、むしろ潜在的な同盟国であると論じ、「パンダ外交」は政治レベルでは影響力を失ったとの見方を示した。

一方で、パンダのレンタルは中国にとっても、貸与を受ける国々にとっても、大きな経済的影響力を引き続き持っているとも紹介。外国にレンタルされるつがいパンダの年間レンタル料は345〜690万元(約7200万〜1億4300万円)で、中国は年間合計34億元(約710億円)を受け取っているものと見られ、日本でも17年6月に生まれたシアンシアンが中国に戻る6年弱の間に600〜650億円の経済効果があったという専門家の試算があるとした。そして、欧米の多くの動物園もパンダの来園でチケット収入が倍増するなど大きな経済波及効果をもたらし、閉園寸前から復活した動物園もあると伝えた。

記事は最後に、現在の中国によるパンダ外交は「感情外交」から「経済交流」へと変化を遂げたとの見方を示している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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