子ども時代の記憶にある1袋0．5元の駄菓子「辣条（ラーティアオ）」は、20数年にわたり、今や全国規模の国民的おやつになり、市場規模が拡大を続けている。

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辣条は一体どれほど人気なのか。統計によると、辣条はすでに年間売上高が600億元（約1兆2000億円）の大規模産業になり、米市場調査会社のニールセンがまとめた「辣条業界研究報告2023」によると、過去1年間のオフライン小売ルートでの累計販売量は1億キログラムを超えたという。

辣条といえば、「中国の辣条の里」と呼ばれる湖南省岳陽市平江県に言及しないわけにはいかない。総面積が4125平方キロメートル、総人口が113万人のこの小さな県の行政中心地が、辣条業の半分を支えている。

同県では1998年に極めて大規模な洪水が突如起こり、大豆の生産量が激減し、大豆を主原料とする麻辣醤干（ピリ辛干豆腐）の工場の経営が立ちゆかなくなるということがあった。その時、イノベーション精神に富んだ同県の農家3人が大豆の粉の代わりに十分な供給がある小麦粉を使用し、米の乾麺を作るプレス乾燥機械で試作を行い、平たい帯状のスナック食品を生産することに成功した。これが辣条の始まりだった。

今や近くの東南アジアから、遠くの南米まで、中国の辣条製品は世界約160以上の国・地域で販売されている。中国には計600を超えるメーカーがあり、そのうち同県出身者が設立したものが90％以上を占める。同県出身者が海外で設立したメーカーも数十社あり、主にインドネシア、ベトナム、タイ、カンボジアなどの東南アジア諸国に分布する。中国の辣条市場の年間売上高600億元余りのうち、同県が200億元以上を占めている。

平江県スナック菓子産業連合会の童湘平（トン・シアンピン）事務局長は、「辣条産業は平江県の食品産業を主導する産業で、県全体で約10万2000人の雇用を生み出し、県の貧困脱却の難関攻略、農村振興、県域経済の発展の後押しにおいて、重要な役割を果たしている」と述べた。（提供/人民網日本語版・編集/KS）