人民網日本語版 2023年12月12日(火) 16時30分
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中国で時速600kmの高速リニアが間もなく商用運営を開始する。
中国科学技術部はこのほど公式サイトを通じて発表した「第14期全国人民代表大会第1回会議第2199号建議に対する回答」の中で、これから時速600kmで走る高速リニアモーターカーのテスト路線建設プランおよび商用運営総合ソリューションの研究を進めることに言及した。これより前に、2021年に山東省青島市で時速600kmの高速リニア交通システムがラインオフしており、中国に高速リニアの総合技術とプロジェクト化能力があることが明らかになった。
「回答」で言及された高速リニアは時速400km以上に達することが可能なもので、中・低速リニアは時速100~200kmというものが多い。関連資料によれば、現在、世界で商用運営が実現した都市リニア路線は4本あり、それぞれ中国の上海リニアモデル路線、長沙リニア快速線、北京リニアS1線と、韓国の仁川空港磁気浮上鉄道となっている。
しかし、「回答」では既存のリニア路線とは異なる、時速600kmの高速リニアに言及した。国家重点研究開発計画「先進的鉄道交通」重点特定プロジェクト総合専門家チームの代表を務める北京交通大学の賈利民教授は、「時速600kmの高速リニアは高速鉄道と航空輸送の間のスピードの空白を埋めるもので、航空、高速鉄道、高速リニア、都市交通を含むスピード配置がより合理的、高効率で、柔軟かつ便利な多元的モビリティ・アーキテクチャを形成することができる」と述べた。
高速リニアは沿線都市の時間の短縮による距離の短縮に資する。高速リニアプロジェクトの技術チーフエンジニアを務める中国中車青島四方機車車両の丁叁叁サブチーフエンジニアは21年に公の場で、「実際の移動時間によって計算すると、輸送距離が1500km以内であれば、リニアが最も速い交通手段になり、移動時間を大幅に短縮でき、時間と距離に対する意識が変わる。北京から上海に行く場合、時速600kmのリニアに乗れば、乗車準備の時間を合わせても、両都市間の移動時間はわずか3.5時間ほどに短縮される。また北京・天津・河北、長江デルタ地域、珠江デルタ地域、成渝(成都・重慶)地区、長江中流都市群の『5極』とされる5つの経済圏の、距離にして2000kmのエリアが4時間で結ばれることになる」と述べている。
時間が短縮されると、発展の空間が拡大し、可能性が増える。北京師範大学政府管理研究院の副院長で、産業経済研究センターの宋向清センター長は、「都市発展のサポートという視点から見ると、高速リニアは輸送力を大幅に向上させ、物流の効率を高め、資源の配置と流動のスピードを高め、エネルギー消費と汚染排出を削減することができ、都市のイメージアップ、二炭化炭素(CO2)排出削減の目標達成をめぐる圧力の緩和、都市資源の調整能力と市場の活力の向上にプラスであり、さらに市民の移動をより円滑にすることができる」との見方を示した。
リニアの優位性が突出し、取り巻くマーケットも流れに乗って成長している。資料を見ると、中国都市リニア産業の市場規模を見ると、17年から20年まではそれぞれ42億6000万元、45億8000万元、49億2000万元、53億1000万元となり、年間平均成長率は7.6%だった。21年は50億9000万元に達し、22年は前年比10%増の59億元に達した。
中国交通運輸協会新技術促進分科会の解筱文専門家委員は、「中国の高速鉄道建設の発展の道のりと経験を見ると、理論的に言えば、時速600kmの高速リニアの建設・運営は都市圏のために新たな経済発展の可能性を切り開き、地域の一体化発展を促進し、エリアの競争力を引き上げ、産業の高度化・トランスフォーメーションを促進し、雇用機会を生み出し、都市圏の国際競争力を高めることになる」とした。
また解氏は、「時速600kmの高速リニアは経済規模が大きく、同期性が高く、一体化した結びつきが強い『通勤化』した交通手段に利用できる。あるいは経済規模が大きく、相互補完性が高く、協調性のニーズが大きい、大型都市の間をつないで『同一都市化』させる交通手段にも、経済規模の格差が大きく、発展のバランスに対するニーズが大きい中部・西部地域中心都市間の『回廊化』した交通手段にも利用でき、大型ハブ都市または都市圏をつなぎ、高速の回廊を形成し、地域間の協同発展を促進するため利用することもができる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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