Record China 2023年12月15日(金) 6時0分
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独メディアのドイチェ・ヴェレは12月13日、欧州議会が12日に可決した戦略的原材料に関する法案は、EU域内の自給率を引き上げ、原材料調達で中国への過度な依存を減じることが目的であると報じた。
ドイツ国営国際放送局ドイチェ・ヴェレ(中国語版)は12月13日、欧州議会が12日に高得票で可決した戦略的原材料に関する決議は、EU域内の自給率を引き上げると同時に、中国に対する原材料調達の過度な依存を減じることが目的であると報じた。
記事は、欧州議会が12日に可決した法案内容について、「リチウム、コバルト、シリコンを含む17種類の『戦略的原材料(SRM)』の調達について、遅くとも2030年までに単一国への依存度を65%以下にするもの」と説明。また戦略的原材料のEU域内での自給率を10%まで、域内での原材料加工能力も最低40%まで引き上げ、戦略的原材料の最低25%は域内でリサイクルする規定も盛り込まれているという。今回可決された法案を最初に提出した欧州委員会は、「欧州はマグネシウムやさまざまなレアアース材料を含む一部の重要原材料について、90%以上を単一国からの供給に依存してきた」と指摘していた。
17種類の戦略的原材料は、電気自動車(EV)や新エネルギーの事業で重要な役割を果たすものであることから、記事は「EUは新興産業の中国に対する依存度を引き下げたいと考えている」とし、「今回の法案はEU加盟国によりまだ批准されていないが、最終的に大きな変更なく実施されると見られている」と伝えた。
その上で、EUが今回の17種類へさらに17種類を加えた34種類の「重要原材料」についても、産業チェーンの監督を強化していくとし、欧州議会もこれらの原材料を代替するための関連研究プロジェクトに資金を提供する予定であると述べている。
記事は、欧州議会ドイツ議員の意見も紹介。欧州緑の党所属のヘンリケ・ハーン(Henrike Hahn)議員は、「新たな決議は信頼できない経済・貿易パートナーへの依存を減らすことになるだろう」と述べた。法案の交渉調整責任者であるドイツFDPの二コラ・ビール(Nicola Beer)議員は「高得票で可決した議案は、産業界への明確なシグナルである」と語ったほか、「新法案は企業の計画に安定性をもたらすだろう。特に原材料加工やリサイクルに従事する企業は、承認手続きの簡素化の恩恵を受け、従来15年かかっていた認可手続き期間が15~27カ月と大幅に短縮される見込みだ」と指摘した。
記事は一方で、今回の決議案に懸念を示す一部の欧州議員も存在するとし、ドイツ左翼党共同議長のマーティン・シルデワン(Martin Schirdewan)議員が、「欧州域内において、戦略的原材料の埋蔵量の半分以上が北欧のサーミ人居住地区にある。原材料が不足する穴埋めとして、原住民にその負担を負わせるのは、真に新植民地主義の色合いを帯びている」と述べたことを伝えた。(翻訳・編集/榊原)
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