CRI online 2023年12月20日(水) 14時20分
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中国で現代演劇の草分けとされる劇作家の欧陽予倩、田漢と日本の演劇界との交流を振り返る写真展が18日午後、北京外国語大学の図書館で開幕しました。
中国で現代演劇の草分けとされる劇作家の欧陽予倩(おうよう・よせん/ 1889-1962)、田漢(でん・かん/1898-1968)と日本の演劇界との交流を振り返る写真展が18日午後、北京外国語大学の図書館で開幕しました。同大学で開かれた開幕式とその後の学術交流会では、中日両国の学者がこの2人の「文化の巨人」と日本文芸界との交流の発掘、検証、考察を通じて、演劇や文芸でつながれた中日交流の歴史研究を深めていくよう呼びかけました。
写真展は北京大鸞翔宇慈善基金会、田漢基金会、北京外国語大学などが共催し、2人が20世紀初頭の日本留学時代から新中国成立初期に至るまでの異なった時期における日本との演劇交流や、中日友好の増進に果たした貢献を約百点の写真で展示しています。
開幕式では北京外国語大学日語学院の周異夫院長、田漢基金会の欧陽維秘書長がそれぞれあいさつを行いました。
周院長は、写真展を通じて、先人たちが中日の文化交流および両国間に友情の架け橋を渡すために努力を続けた姿勢に学ぼうと呼びかけました。欧陽維秘書長は「2人が芸術分野で収めた成果は、中国の伝統文化を土台にしていると同時に、長きにわたった実践と幅広い交流の中で築かれたものだ。演劇などの文化や芸術は国や民族をまたぐ架け橋になれる」と述べました。
開幕式に続いて開かれた学術交流会では、欧陽秘書長のほか、中央戯劇学院の郭富民教授、北京外国語大学の馬場公彦副教授、同大学日本学研究センターの秦剛教授ら4人が発表を行い、来場者も交えて活発な交流が行われました。
欧陽秘書長は席上、「欧陽予倩、田漢と谷崎潤一郎をはじめとした日本各界の友人は、真心で付き合っていた」と振り返り、「彼らを深く結び付けた共通の文化的土台の中身について、もっと丁寧に見ていく必要がある」と指摘しました。
郭教授は、「中国の話劇の起源は東京で創設された春柳社にさかのぼるというのが定説である。日本の演劇界との交流史を研究することは、中国の演劇史そのものを知る上で不可欠なことである」と述べ、「欧陽予倩と田漢は演劇をきっかけに、文化の融合と人類の平和という大きな事業を生涯にわたって求め続けてきた」と評価しました。
馬場副教授は、日本軍国主義者が中国に戦争を仕掛けた際、「それを最も痛烈に批判していたのは田漢など日本留学経験者であり、日本文化にも精通した文化人だった」と指摘するとともに、「写真展は中日の演劇界の同業者たちが尊敬し合い、深い友情で結ばれていた証を示している。中日双方の演劇関係者は、相手の作品を自国で上演することで心の絆を強めてきた。文化は日中友好を促進する上でユニークな役割を果たしてきたし、交流により双方の文化がより豊かになった」と述べました。
秦教授は写真展の企画に参与したことで、新中国初期の中日演劇の交流について認識を深めたことを話しつつ、「欧陽予倩と田漢の日本との交流を軸にして、2人が翻訳した日本の文芸作品、文芸理論が中国に与えた影響、あるいは日本でも2人の作品が数多く翻訳・上演されていたので、そういった学びあいの歴史や、改革開放後も広げられていた中日の演劇、映画、文化交流の歩みとの関連性など、掘り下げる必要のある課題がたくさんある」と指摘しました。
欧陽予倩は中央戯劇学院の初代院長で、1956年の梅蘭芳の京劇訪日公演で団長を務めていました。田漢は中国戯劇家協会の初代主席で、中華人民共和国国歌の作詞者としても知られています。2人は1906年、1917年にそれぞれ東京に留学しました。
同写真展は北京では、11月22日に中央戯劇学院で開幕したのに続いて、北京外大では2か所目の開催となり、展示期間は来年3月15日までです。(提供/CRI)
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