中国がレアアース加工技術の輸出を制限、欧米のデカップリングが難しくなる―独メディア

Record China    2023年12月26日(火) 9時0分

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22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国がレアアース磁石製造技術の輸出に新たな規制をかけ、西側による「デカップリング」が一層困難になる可能性があると報じた。

2023年12月22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国がレアアース磁石製造技術の輸出に新たな規制をかけ、西側による「デカップリング」が一層困難になる可能性があると報じた。

記事は、世界最大のレアアース加工国である中国が21日、レアアース磁石の製造技術の輸出を禁止する新たな規則を発表したと紹介。中国商務部は昨年12月の段階で、サマリウムコバルト磁石、ネオジム・鉄・ホウ素磁石、セリウム磁石の製造技術を「輸出禁止・制限技術カタログ」に追加する規制案のパブリックコメントを求めており、今回発表された輸出制限リストには、これら3製品のほか、「レアアース抽出・分離プロセス技術、レアアース金属・合金材料の生産技術」および「レアアース・カルシウム・オキシボレート調製技術」も含まれたとし、同部が規制の目的について「国の安全と公共利益を守るため」と説明したことを伝えた。

その上で、新たな規制自体はレアアース製品の輸出に直接影響を与えるものではないものの、中国国外のレアアース産業の発展に影響を与える可能性があると指摘。今年に入ってレアアースを巡る中国と西側諸国との争いが激化しており、中国が多くの重要金属材料に対する輸出規制を大幅に強化しているとし、8月には半導体の製造に広く使用されるガリウムとゲルマニウムの輸出許可制度が導入され、12月1日には数種類の黒鉛が輸出許可リストに追加されたと紹介している。

そして、地政学的問題に焦点を当てた米国のアドバイザリー企業「ホライズン・アドバイザリー」の共同設立者であるネイサン・ピカルシック氏が「中国によるレアアース磁石の調製技術輸出制限は、中国に依存する産業チェーンのどの部分も持続不可能である」ことを示していると英ロイターに語ったことを伝えた。

記事は、世界のレアアース精製能力の90%近くを占める中国からの依存を脱却すべく、欧米諸国が自国の生産能力を拡大しようと奮闘しているものの、レアアースの採掘、抽出、加工技術は複雑で、多くの公害発生リスクを伴うことから、欧米企業が急速に大規模な生産能力を増強することは難しいと指摘。2018〜21年の米国の中国産レアアースへの依存度は74%となおも高く、14〜17年の依存度からわずか6ポイントしか低下していないと紹介した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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