2023年12月29日、米電気自動車（EV）大手・テスラ社の広告動画が中国の自動車メーカー「理想汽車（リ・オート）」をやゆしているという指摘が、中国のSNS・微博（ウェイボー）で注目を集めている。

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中国メディアの鳳凰網科技は微博公式アカウントで、「テスラは動画投稿アプリTikTok（ティックトック）の公式アカウントを通じて、『EVを買う時に重視するのはどこか？あなたの回答を声に出そう！』と題したショート動画を公開したが、その内容に理想汽車を連想させる所がある。テスラは動画の中で、EVを買う時は『プレゼンの上だけの口だけの安全性ではなく、本当の安全性を担保している方を選択するべきだ』と主張している。その画面には『500万元以内で買える最良のSUV』と書かれた吹き出し付きで、理想汽車の李想（リー・シアン）CEOによく似た人物の写真が使われていた。動画内では『EVを買う時は家電やソファーのような表面上の外装ではなく、電池やコントロール系統などの見えない設計部分を重視するべき』と主張しているが、動画は李想氏の肖像権を侵害しているとの指摘もあった」とツイートした。

李想氏は、上海蔚来汽車（NIO）創業者の李斌（リー・ビン）氏や小鵬汽車（シャオペン）の何小鵬（ホー・シャオポン）CEOと並んで、「中国EV三銃士」と呼ばれる起業家の一人。14年4月にテスラが量産タイプのEV「モデルS」の中国への輸出を開始した際、世界で最も訪問者の多かった自動車情報サイト「汽車之家」の総裁だった李氏は、各界の名士と共に高級車の1期目のオーナーに名を連ね、中国を訪れたイーロン・マスク氏から記念式典でキーを受け取っている。その1年後に李氏は理想汽車の前身となるベンチャー企業を立ち上げた。22年に同社のフラッグシップSUV『L9』を発表した際、李氏は「500万元以内で買える最良のSUV」とコメントしている。

この報道に対し、他のネットユーザーからは「安全に関する主張は同感だ」「テスラが安全を語るのか」「テスラは理想汽車と張り合うのか」「顔を隠したら誰の写真かわからないと思ったのか」「ゲームの『ディアブロⅣ』にハマってるマスクさんは関わっていないだろう」などのコメントが寄せられた。（翻訳・編集/原邦之）