日本株の時価総額が中国を逆転、ただし株価下落引き起こす三つのリスクも―米華字メディア

Record China    2024年1月16日(火) 6時0分

拡大

日経平均株価は12日、5日間続伸して1990年2月以来の3万5577.11円の高値をつけた。東京証券取引所の上場企業の時価総額は3年半ぶりに上海証券取引所を抜いてアジア1位に返り咲いた。

日経平均株価は12日、5日間続伸して1990年2月以来の3万5577.11円の高値をつけた。東京証券取引所の上場企業の時価総額は917兆円(約6兆3200億ドル)に達し、3年半ぶりに上海証券取引所(12日時点で6兆2700億ドル)を抜いてアジア1位に返り咲いた。米国の華字メディアである華夏時報は、日本における株価上昇の驚異的な状況を伝え、その原因や今後の見通しを紹介する記事を発表した。以下は、その主要部分だ。

資産運用サービスなどを手掛ける香港企業の方徳金控の夏春首席エコノミストは「最も重要な原因は円安だ。日本の上場企業の海外進出を促進し、海外での増収増益をもたらしている。次に、世界でインフレが発生している中で、日本のインフレ率は3%と、比較的制御可能な状態にあることだ」と述べた。

夏首席エコノミストは、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が、2020年8月に日本の商社の株式を取得したことも、呼び水になったとの見方を示した。夏首席エコノミストは、バフェット氏が率いる投資会社のバークシャー・ハサウェイが円建て社債を発行したことにも注目した。低利で資金調達して株式を購入する手法で、他の大手機関が模倣できる点が多くあるという。

また、方徳研究センターの英傑海外市場首席アナリストは、1日に発生した能登半島大地震の影響にも言及した。同地震による経済損失は日本の国内総生産(GDP)の0.15%に相当する5121億円と見積もられているが、東日本大震災による損失よりもずっと小規模だ。しかし日本政府は復興支援のための予算を大量に投じる方針であり、「日本銀行が金融引き締めに転じるのでは」との市場の観測は弱まった。政府の財政投入や日銀の緩和策の継続は、日本の株式市場にとってはプラス要因とみられている。

また、中国大陸部投資家の、合格境外機構投资者(QDII)を利用しての日本株への投資熱も高まっており、関連する上場投資信託(ETF)の2次市場のプレミアム率が高い状態が続いている。12日の取引終了時点で、華夏野村・日経225ETFのプレミアム率は9.15%、易方達・日興資産管理・日経225ETFのプレミアム率は3.12%だった。

夏首席エコノミストは、日本株投資の今後のリスクについても言及した。まず、日本銀行がしばらく前から、適切な時期における国債利回りの抑制策の緩和を考えているとした。また、円の対ドル為替レートはまだ低い状態だが、1ドルが120円か130円程度にまで戻れば、債権の利回りは上昇し、債権を発行して株式購入の資金を調達する手法は、コスト面で不利になる。また、円相場が上昇すれば、株式上場企業の収益に一定の悪影響を与える。また日本株の評価はすでに相当に上昇しているので、通貨政策や為替相場の変化で株価の強い下押し圧力が発生する可能性もあるという。

夏首席エコノミストは「個人としては、現状を考慮すれば、若干のリスク低減策が必要と感じている」と述べた。日本の株式市場には新たなチャンスが生じる可能性もあるが、資金が中国のA株や香港株に還流する可能性もあるからという。

東呉証券の陳李首席エコノミストは、「24年にはさらに多くの資金が日本株に向かうだろう」との考えを示した。まず、海外資本が再び大量に日本株に向かう可能性があり、日本国内の資金が日本株に向かう可能性もあるからという。

ただし、陳首席エコノミストは同時に、日本市場で株価下落を引き起こすリスクが三つあると指摘した。第1は日本の経済成長が予想を下回ること、次に日米の金利差の変動が予想を超えること、さらに、日本が予想を上回る為替介入を行うこととした。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携