2024年1月22日、韓国・ソウル新聞は「韓国のキムチ輸出量が過去最高を記録した」と伝えた。

記事によると、韓国の23年のキムチ輸出量は4万4041トンだった。18年には2万8197トンにすぎなかったが、19年は2万9628トン、20年は3万9748トン、21年は4万2566トンに増加。22年は4万1118トンでやや減少したが、23年は前年比7．1％増加した。輸出額は1億5561万ドル（約230億円）で、22年の1億4081万ドルより10．5％増えたという。

新型コロナパンデミックにより国境が閉ざされた20年にキムチをテーマとしたオンラインコンテンツが世界的に流行し、発酵食品であるキムチには免疫力を高める効果があるとの情報が世界に知れ渡ったことで輸出量が34．2％増加した。当時ハリウッド女優のグウィネス・パルトロウが「キムチを食べてコロナから回復した」と明かしたことも話題となったという。

韓国のキムチは昨年92カ国に輸出された。不動の1位は日本だが、オランダ、英国、豪州がコロナ禍でのキムチブーム効果で輸出上位5カ国に入った。また、2位の米国の輸出額の急増も目立った。昨年の対日輸出額は6149ドルで前年比0．8％増だったが、対米輸出額は3998万ドルで37．4％の急成長を遂げた。オランダは738万ドル（14．8％）、英国は615万ドル（15．9％）と成長が著しく、対欧州輸出額も18％増加した。

韓国農林畜産食品部の関係者は「海外のビーガン需要に合わせて塩辛を使わないビーガンキムチを提供したり、欧州など距離の遠い国用にフリーズドライキムチブロックを作って輸出したりするなど、臨機応変な対応戦略が輸出増加に大きく貢献した」と説明したという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「たくさん輸出して、世界中が『キムチは韓国の食べ物』と認識してくれたらうれしい」「最近日本では辛いもの好きの若者が増えたよね。韓国料理の人気がもっと高まりますように」などと喜ぶ声が上がっている。

一方で「質の良い韓国のキムチを海外に輸出し、韓国国民は中国産キムチを買って食べている」「韓国の飲食店の多くが中国産キムチを使っているという悲しい事実」「中国産キムチを輸入しないで。中国産を大量に輸入していたら、自信を持って韓国産キムチを世界に出せない」「輸入キムチを徹底的に管理しよう。飲食店で中国産キムチを食べたくない」などと指摘する声も数多く見られた。（翻訳・編集/堂本）