中国石油大手、EV時代に向け充電施設事業に注力、経営戦略の転換迫られる―海外メディア

Record China    2024年4月13日(土) 6時0分

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中国の石油精製・販売大手はEV時代に向け、充電設備事業に力を入れている。中国のガソリン需要は2045年に半減する可能性もあるとされ、石油大手は経営戦略の転換を迫られている。

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中国の石油精製・販売大手の中国石油化工集団(シノペック)や中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)が電気自動車(EV)時代に向け、充電設備事業に力を入れている、とロイター通信が報じた。中国のガソリン需要は2045年に半減する可能性もあるとされ、石油大手は経営戦略の転換を迫られている。

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ロイター通信によると、世界最大の自動車市場である中国でEVは今年販売される約2300 万台の自動車のうち40%を占めるとみられている。シノペックとペトロチャイナは合計で国内10万カ所以上あるガソリンスタンドの約50%を運営しており、その収益の半分近くを燃料販売が占めている。

米コロンビア大学グローバルエネルギー政策センターの研究者、エリカ・ダウンズ氏は「両社は失速の予兆を目の当たりにしている。だからこそ、低炭素経済に合わせたサービスステーションの設置に取り組んでいる」と指摘した。

23年末時点で2万1000カ所の充電ポイントを運営するシノペックは今年、複合エネルギーステーション網の建設のため、流通部門の予算を前年から17.2%増の184億元(約3860億円)に拡充した。同社は25年までに5000カ所の充電施設を新設する計画を進めている。

ペトロチャイナは昨年9月に買収した子会社のポテビオ・ニューエナジーを通して2万8000カ所の充電ポイントを運営している。ペトロチャイナの提出書類によると、同社は24年、石油やガス、水素、電力の提供が可能な総合施設に注力し、マーケティングや流通への投資を49.8%増やし70億元とする計画を発表した。今年はさらに1000カ所のEVバッテリー交換ステーションを建設することを目指している。

中国国内に273万カ所あるEV充電施設のうち、シノペックとペトロチャイナの市場シェアはそれぞれおよそ1%だ。


一方で充電設備の拡充は過剰設備問題を伴う。中国のEV所有者の多くは自宅に併設された設備で充電することが可能だ。国内860万か所の充電ポイントのうち68%は急速充電式ではない私用設備ということになる。

中国乗用車協会(CPCA)のデータによると、国内に設置された充電器の数は22年下半期時点で、EV7台につき1基という比率だ。米国では14.6台、欧州では17.6台に1基の割合だった。

このためEV所有者をめぐって大規模な競争が行われており、多くの充電地点で使用率が少なく、1日のほとんどが使われていない状態に陥っている所もある。ライスタッド・エナジーのシニアアナリスト、アビシェーク・ムラリ氏は「EV充電事業で利益を生むのは世界中どこであれ厳しい」と指摘。中国のEV充電網で事業者の統廃合が進めば、送配電事業会社が最大の勝者になる可能性があると予測した。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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