中国とベトナムを結ぶ高速鉄道、着工なるか?―中国メディア

Record ASEAN    2024年4月26日(金) 8時0分

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23日、新浪新聞はベトナム政府が2030年までに高速鉄道を中国国境付近まで開通させることについて分析する記事を公開した。写真は中国の高速鉄道。

2024年4月23日、中国メディアの新浪新聞は、ベトナム政府が今月上旬に30年までに2本の高速鉄道建設に着工し、そのうちの1本を中国の広西チワン族自治区に近いランソン省まで開通させる計画を発表したのを受けて、この高速鉄道により中国とベトナムの両国にどのような利益をもたらすかについて、3人の専門家を取材した記事を公開した。

専門家の1人目である上海国際問題研究院東南アジア研究センターの周士新(ジョウ・シーシン)所長は、「ベトナム政府が中国との高速鉄道建設に積極的な姿勢を示しているのは、首都ハノイに中国企業が建設したLRT(ライトレール、次世代型路面電車システム)や、ジャカルタ・パンドン高速鉄道、中国・ラオス鉄道の実績により、中国の高速鉄道技術に好意的な認識を持つようになったことと関係している。両国をつなぐ高速鉄道には基準を統一した技術やシステムが必要になるからで、中国の高速鉄道技術を利用することを意味するからだ」と指摘した。

ハノイで21年11月から運行開始したLRT「ハノイメトロ2A号線」は、中国企業「中鉄六局集団」が設計、調達、建設を一括して請け負い、ベトナム初の都市鉄道として建設された。ハノイ中心部のドンダー区カットリン駅と住宅開発エリアのハドン区イエンギア駅を結ぶ総延長13キロに12駅を設け、前線の所要時間は約25分で、地元住民の移動時間の短縮に役立っているという。また、23年10月に運行開始したジャカルタ・パンドン高速鉄道は、中国の高速鉄道が初めて海外に進出した最初の案件だったが、火山密集地域や火山灰の堆積地などを通過しており、複雑な地質条件の中でトンネルや路線建設を成功させている。21年12月に全線開通した中国・ラオス鉄道は、中国の鉄道網が外国の鉄道網と直接連結した初めての路線で、昨年1年間だけで83の国と地域からの渡航者2万8000人超を含む18万人以上の旅客が利用し、貨物は中国からラオス、タイ、ミャンマー、ベトナムなどの国へと運送され、輸送コストを40~50%下げているという。

専門家の2人目、北京交通大学交通運輸学院の楊浩(ヤン・ハオ)教授は、周氏と同様に中国・ラオス鉄道やジャカルタ・パンドン高速鉄道の影響について指摘した一方、日本の高速鉄道技術の問題点を指摘し、「日本経済新聞の報道によると、10年にベトナム政府は558億5300万ドル(約5兆2000億円)の高速鉄道建設プロジェクトを承認し、ハノイとホーチミンを結ぶ南北全長1559キロの路線で日本の新幹線技術を使用する予定だったが、現在まで14年が経過しているにもかかわらず、最高時速を350キロにして旅客専用とする選択肢と、貨客兼用を前提に最高時速を200~250キロに抑えて、建設費や運営費を抑制すべきという選択肢が議論されるなど、まだ着工に至っていない。日本の新幹線は大規模な建設から年月が大幅にたっており、エンジニアチームにも高齢化が進み、後継者不足の問題がある。しかも途上国には資金面と時間が限られている」と述べた。

専門家の3人目、広西社会科学院の曹玉娟(ツァオ・ユージュエン)所長は、「広西チワン族自治区とASEAN諸国との間では、繊維製品や自動車などの産業の上流下流のつながりが緊密になってきており、広西からASEAN諸国向けの輸出が伸びている。特にベトナムは中国にとって最大の貿易相手国で、ベトナム政府が公表したデータによると、今年第1四半期(1-3月)の貿易額は前年同期比22%増の436億ドル(約6兆7495億円)に達した。上海や寧波のような航空路線の充実した都市とは違って、広西は陸路交通による輸出入が中心のため、中国とベトナムを結ぶ高速鉄道が開通すれば、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性がある。現在ベトナムの機械設備と部品の54%、繊維製品の原料52%、モバイルデバイスの部品の40%はほとんどが広西の港からベトナムに輸出している。ベトナムが計画しているハノイからランソン省への高速鉄道は、運送能力不足や運行時間の長さという問題を解消し、ベトナムの北部の重要な経済地域を横断し、沿線の工業地帯をつなぎ、経済ベルト地帯を形成することが可能になる」と指摘した。(翻訳・編集/原邦之

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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