2024年5月7日、中国メディアの第一財経は、中国でメーデー連休中の金販売が不調だったことを報じた。

記事は、4月中旬をピークに世界の金価格が下落を続ける中、中国でも金の末端価格が下がり販売量も減少しており、広東省深セン市の貴金属販売業者が5月1〜5日のメーデー連休中は金の売り上げについて前年同期比40〜50％減ったことを明らかにしたと伝えた。

また、連休中は中国の貴金属販売業者が売り上げを伸ばすため、大幅な割引や手数料なしでの古い金から新しい金への交換などといったさまざまなプロモーション活動を展開したものの、実際の取引を増やす効果はあまり見られず、業者からは「近ごろは価格を聞きに来るだけで実際には購入しない人がほとんど」との声も出ていると紹介した。

記事によると、年始から金の価格が上昇を続けていたこと、春節（旧正月）があったことから中国では今年1〜3月に金の購入ラッシュが発生。中国における同時期の金購入量は前年同期比約6％増の308．905トンとなったものの、4月に入ると消費者の購入意欲が徐々に低下し始めていたという。

さらに、今年1〜3月は金の購入が好調だった一方で、金の装飾品の消費は低調だった。関係者によると、金の価格が急速に上昇して消費者の間で「さらに上昇するのではないか」という様子見のムードが生まれたこと、金の加工費用やブランド料が高騰したことで、金の装飾品消費が抑制されたという。

記事は、英国の金国際貿易協会ワールド・ゴールド・カウンシルが今後の世界の金市場について「価格が今後数カ月間安定状態を保つようならば、価格変動に敏感なバイヤーも購入に動く可能性があり、金は引き続き良好なリスク回避資産となるだろう」との見通しを示したことを紹介している。（翻訳・編集/川尻）